個人宅へのワインの配送をどう考えるか
今回は個人のお客様へのワインの配送について考えてみたいと思います。
現在まともな飲食店やワインショップへの配送はほとんどがリーファーシステム・ジャパンによって行われています。一部倉庫会社が所有するリーファーを使う場合もあります。ですが、残念ながら未だに常温で運ばれているワインがあることはあまり知られていません。
残念ながらリーファーシステム・ジャパンは定温15度でほぼ完全に近い状況でワインを運んでいますが、穴もないわけではありません。やはり出荷時、休日明けの日の発送に何してはリーファーシステム・ジャパンの倉庫に保管されるためにその間多少の温度変化にさらされることがあり私たちは休日明けの日にはワインはとらないことにしています。それ以外に関してはほぼ問題がなくスタッフたちもちゃんとしていて破損も少なく今日本で最も信頼の置ける会社です。
私も必ずインポーターにはリーファーシステムジャパンを指定し、当然それでなければワインは買わないと宣言しています。
ただ残念なことに個人宅への配送を行っておらず、また関東中心で遠方は博多までと全国を網羅はしていません。
さてでは個人宅への配送はどのような方法が一番良いのでしょうか。ここでは当然クールで配送することを前提に話を進めていきます。
クール便、チルド便など表示方法は各社違いますが、私の経験上ヤマトが最もベストです。
他の配送会社は、下請けを使っていることが多く地域の配送センターから常温でもってきたり、冷えすぎてしまっておりいくら短期間とはいえ問題が多いのです。破損も多くとても使えたものではありません。
ヤマトが良い理由は商品の扱い方がちゃんとしていてクールでも多の業者に比べ冷えすぎはごく希です。これは昔三越の配送をしていたところからの名残でしょうが、商品の扱いに対する姿勢においては伝統的に良い会社なのです。時間指定等も最も守られている会社。
温度変化については各社インポーターは定期的に温度変化の調査を行っています。現在のところ大きな問題は発生していません。問題が発生する可能性は、冬場など配送時に極寒の地域をトラックなどが走る場合に商品が凍結してしまった事例があります。また地域の配送所において間違えてクール便を冷凍便として凍らせてしまった事例があります。また大きなマンションなどの場合、いくつかの荷物を持ち顧客宅を回るためにその間に商品の温度が上がってしまった事例があります。
このような場合、最も大切なのはワインを買う側の皆さんが地域の配送所の教育を行い必要があります。ヤマトの皆さんは結構いい人が多いのであまりクレーマー的ないい方はしない方が良いと思いますが、ワインに関してもし問題があった場合はちょっとうるさく言って下さい。そうすると、ちゃんと認識してくれるのでその後の扱いは良くなるはずです。やはり地域の配送所からの配送が一番リスクが高いのでそこはお客様による指導が大切なのです。
ヤマトは一時期テレビなどでも放映されましたが、クール便の配送所での扱いなどで問題になったことがありました。そのときヤマトがどういった対応をしたかというと基本の設定の厳守です。元々ヤマトにはサイズ制限、重量制限などがありましたが、競争の激しい配送業者の間では顧客の取り合いがありこの制限を守らずに配送していました。それを厳守し始めたのです。これには私たちもまいりました。一箱12本で配送が出来なくなったのです。サイズ制限もあるために今までのように大きな箱を使うことも出来なくなりました。最も困ったのがリーファーシステム・ジャパンが配送をしない地域にヤマト運輸を利用しているインポーター。通常当たり前のように12本単位でワインを送っていたわけで、これを
重量制限に合わせることなど事実上手間の関係で出来ない。倉庫会社から今までのように12本単位でクールで出荷する金額が3倍近くに跳ね上がったのです。顧客が離れることが分かっていてここまでやったのはやはりヤマト運輸は信用を大切にしているからだと思います。こういった姿勢こそがそこで働く従業員たちに自然に浸透していくのでしょう。
さてこのような問題はあったとしても現在ヤマト運輸が個人宅への配送に関してはベストだという現実があります。ですから一番大切なことは顧客側がヤマトの地域配送センターと上手く付き合うことです。「けっこうここの人はワインを買っているから温度にはうるさいんだ」とイメージ付けを行って下さい。
なんであなたがやってくれれば良いじゃない、、というお客様もたまにいます。でもさすがにそこまでは出来ないんです。ごめんなさい。
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