美味しいワインを手に入れるための真実

今回南アフリカを訪れ改めて美味しいワインを手に入れる難しさを思い知らされました。

3年に一度のCAPE WINE 2018。南アフリカの多くの生産者達がバイヤーとの交渉に挑む場所ですが、ここで用意されていたワインは本当に素晴らしいものでした。

夜の時間はいろいろなレストランやワインバーに行きましたが、状態の良いワインもあればがっかりするようなワインだったりと様々。現地だから美味しくて当たり前となんて勘違いしたらいけません。

これはフランスでも同じことでちゃんとしたワインを出すお店は非常に少ないのです。

ワインの管理に対する意識はまだまだ低く現地で生産者の元でワインを飲んでいながらこの有様なのです。

私がいつも一緒にワインを飲んでいる方々に以前質問をしたことがあります。そうすると味の記憶力をもっている人は半分ほどでした。つまり以前飲んだワインの味わいを明確に憶えている人はそうはいないのです。

つまり意図的に分かっていて状態が悪くても気にしない人ばかりではなく、分からない人もいると言うことです。

味わいの記憶力が優れている人にとってはこの現実は非常に残酷なことですが、これが生産国と他の国で飲まれるときの差が明確に出てしまう一つの要因になっています。


ワインのインポーターは特に上場企業の場合、できる限り利益を出すためにコストを削っていくわけですが、そのためには出来るだけ多くの量を買ったり、輸入コストや国内での配送コスト、倉庫のコストを減らすことしかコストカットの方法はないのです。

ヨーロッパでもEUの他の国に陸送する場合、ほとんど定温トラックは使われていないのが現実です。ですから感覚の優れた人たちは、自分たちの車で直接ワインを買いに行っています。


ワインの世界を牛耳っているイギリスも、作り手の元で試飲し批評しているとは思えず、運ばれたワインを集めて試飲をしていると思われます。こうなってくると熱劣化で酸が壊れたワインを試飲するわけで本来の素晴らしさが感じられないワインは除外されてしまいます。

以前とある雑誌の特集でワインを試飲したことがありますが、ただテーブルの上にワインを置き温度も高くぼやっとしたワインを試飲していました。これでは正直ワインの本質など分かりません。つまりこれがプロとされる人たちがやっていることなのです。

未だに古典的スタイルのワインが好評価を得るのはこういったところに原因があります。

ワインの状態にも色々ありますが、ラシーヌなどを中心とした優れたインポーターのワインとまあまあいいかなと思われるワインのホリックの基準から漏れたワインの違いは酸の喪失。リリースした手のワインが妙に開いた感じで飲みやすくなっていて勘違いしてしまうような魅力的な香りがし、味わいは要素が表に出ていて一瞬美味しく感じるのですが、妙に飲みやすくでもフレッシュ感がなくものによってはべたっとしたような甘さを感じてしまいます。大人数で飲むのでしたらせいぜい1〜2杯なのでまあなんとなく良いかなと思ってしまいますが、一本飲むのは面白みに欠けます。ましてこういったワインを熟成させても本来の美味しさなど絶対に出てこないのです。酸が壊れるとボディーのシルキーさ、滑らかな粒子の感じが無くなってしまいます。飲んでいて飽きが来るのはフレッシュさが足りないせい。

張りのある感覚がないワインは熱劣化していると思って間違いありません。

南アフリカのワインバーで飲んだワインは、味わいが壊れていて更に劣化していましたが。


さて日本ではワインを学んでいる人がかなりいらっしゃいます。ワインのことを知ることは非常に大切ことなのですが、知識ばかり得ても美味しいワインを手に入れられることにはつながりません。評論家の本を参考にしても優れたポイントを獲得している生産者のワインは手に入れられますが、高価ですし状態が良いワインはほとんどないというのが現実。

まさにエチケットを飲んでいるような行為です。

私がインポーターを選ぶときはそのインポーターが輸入しているできるだけ安いワインを依頼します。一番安いワインはすぐ開くワインが多く酸がやられているとすぐ分かるのです。

このクラスのワインを適当に輸入しているインポーターのワインは高額なワインも同じなのです。


正直ラシーヌ、フィネス、ラフィネなどの優れたインポーターのワインでもあれっと思うときがあります。それだけワインの輸入は難しいのです。輸入だけでなくワインが劣化する要因はコルクなどにもあり判定するのはかなり難しいのですが、それでも今の輸送技術はかなり良好な状態で輸入する条件が整っています。


多くのワインラバーの方々は状態の良くないワインを飲んでいるのです。その中から美味しい美味しくないの基準が作られていきます。私が最も信じていないのが知識偏重型のソムリエと多くを語るソムリエです。味わいが分かっていない人ほど口数が多いのです。味わいが分からないから、美味しいと思っていないから知識でカバーしようとするわけです。


一番大切なことは自分を信じること。皆さん料理を食べたときに美味しい美味しくないは当然ご自分で判断すると思います。感動する料理もあればまあこんなものかなと思うときもある。でもワインに関しては分からないと思ってしまう。これではいつまでたっても美味しいワインを手に入れることは出来ません。

ワインに対してもっとシビアになってください。美味しくないものは美味しくないのです。そしてその原因を探ってみる。自分なりに原因を追及していけばきっと確立が良くなっていきます。分からないことがあればいつでもお問合せください。








PUR SANG

美味しいワインがなかなか見つからない、ワインのことが今ひとつよく分からない、美味しいワインを探したり美味しく楽しむためのテクニックを学んでみて下さい。

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