ワインの輸入元を厳選する理由
インポーターに関しては10数年前からいろいろと書いてきました。インポーターランキングを作ってみたりいろいろと試み物議を醸したこともありますが、現在ではあまり言及することがなかったために再度インポーターに関しての重要性を書いてみたいと思います。
さてインポーターに注目して10年以上。インポーターは進化したかと言えばそれほど状況は変わっていません。ラフィネやエヴィーノのようなインポーターが出てきましたし、ラシーヌやフィネスなど昔からお付き合いのあるインポーターは更なる進歩を見せていますが、それ以外のインポーターで大きく変わりつつあるのはほんの僅かです。これだけラシーヌ、フィネス、ラフィネの存在感が大きくなり危機感をおぼえないのかと思いますが、相変わらず意識の低さを感じざる得ません。
さてインポーターが何故重要かと言えば、生産国から日本へワインを運ぶ際の窓口となっているからです。つまりどんな有名なワインであろうが優れたワインであろうが、インポーター次第で日本に届いた際にワインの状態が全く違うからです。一度熱劣化したワインは絶対に復活しませんからインポーター次第なのです。
これだけいろいろなシステムが整っているのにもかかわらず、未だに意識が低いインポーターが多いのには呆れますが、意識が低いだけでなくプロでありながらワインに関する感覚がなっていないのです。そんな人たちがワイン業界の中心にいるわけですから呆れ果てます。
ただこういった状況は日本だけではなく海外ではほとんど酷い状態。ですから昔は逆に私たちのやっていることは特殊であると言っていましたが、もうすでに言及して10年以上経ってくるとそうはいっていられません。
インポーターの意識が低いからそのワインを飲むワイン愛好家も自然と旧態依然とした感じになる。しかし愛好家たちはワインを選ぶことが出来るわけですから今密かにコンディション重視の人たちが増えているのです。この僅かな差を見逃していると急に状況が変わってくる日も近いのではないかと思っています。
さて何故ここまでインポーターによってワインに差が出てしまうのでしょうか。現在ではインポーターのホームページを見ても輸入者シールを見てもリーファー使用(定温コンテナ使用)と書いてあるワインが非常に多い。それにもかかわらず何故?
ここが非常に面白いのですが、実は船だけリーファーを使って生産国内ではリーファーを使っていないインポーターが大多数なのです。このことに関してはインポーターのホームページ上で詐欺的な記載をしているインポーターも多い。ある有名な会社のフォアダーに聞いたので確かな情報です。
さて最近ヨーロッパに行った方なら分かるでしょうが、ヨーロッパも温暖化の影響で暑いですよね!
あんな暑い状況で船まで普通のトラックで運んだらどうなるのか?馬鹿でも分かる結果が見えています。それに生産者ってワインの集荷当日は朝からワインを外に出しているんですよね!
生産者はどこの国に行っても自分たちのワインが見るも無惨な姿になっているのを知っていてどうせ分かっていないんだからってな感じで自分の手を離れたワインには責任を感じていない。だからたまに生産者たちは「自分たちは自己満足でワインを作っているんだよ」とまで言っています。
生産者は買ってくれるインポーターに余計なことは言わないんです。
リーファートラックを手配しても日本と違って見ていないから普通のトラックで取りに行ったりすることが非常に多い。それだけで差額分儲かるわけだし結構外国っていい加減なんです。日本人ってきっとそんなことがあっても「私はちゃんと手配しましたよ!」で済ましてしまうんですよね。政治の世界でもそうですが、責任の所在を明らかにしない構造になっている。ですから大きな会社ほど酷い理由は多くに人数が輸入に関わっているので必ず穴があるのです。
日本に到着しても船から降ろし保税倉庫に入れるまでは常温のところが多い。
こんな扱いじゃ船だけリーファーにする意味がないんです。形だけ、とりあえずリーファーと書いておけばワインを買う人は安心するだろう、そんな感じなのです。それがワインビジネスなんだと未だに言っている関係者も多いと思います。生産地偽装が多かった食品業界は膿を出し少しは良くなりましたが、ワイン業界は相変わらず。
未だにワインショップでも当たり前のように顧客にクール便を選ばせる。このことから見ても分かるようにどんなに素晴らしいワインでも扱い方によっては簡単に駄目になるのです。特に最近のワインは悪くなりやすく昔より酷い状況になっているのが現実です。
ワイン雑誌の責任も大きい。まあ雑誌が売れていなくて広告で成り立っているので言いたいこともいえませんが、そのことを読んでいる人たちは知らない。と思えばクール便は良くないようなことを真顔で言う関係者もいる。分かっていない人が表舞台に出てくるとほんとろくなことがないのです。
さてこんな穴だらけの状況を細かく精査し生産者との連絡と関係性を密にしワインを運んでいるインポーターが私たちのお付き合いしているところなのです。もうはっきり言って飲んだらすぐ分かります。これだけちゃんとしたワインを飲み続けているのは私の付き合うインポーターと私だけではないかと思います。
実はコンディションの良いワインって誰でも飲み続ければ簡単に分かるのです。コンディションの悪いワインばかり飲んでいると差がなかなか分からないのですが、状態の良いワインは明確な違いがあるのです。新鮮な魚か日が経った魚の違いと同じようなものなのです。食べるものだったらすぐ分かるんじゃないですか皆さんも、でもきっとワインだけは頭っから分からない存在と思っているのでは?
まずはこういった意見に反発せずに一度ちゃんとしたワインを飲んでみて下さい。馬鹿でも分かる明らかな違いがあるのです。飲み始めの時期は劣化した独特の疑似熟成感にはまってしまう場合もありますが、最近のワインでそんな特徴が出てくるワインは明らかに少なくなっています。どちらかと言えばただつまらないワインになるだけ。
本来のワインって単純に美味しいですよ!
ちゃんと生産者の思いの伝わっているワインを飲みましょうよ!劣化したワインなど腐った魚のようなもの。生産者がかわいそうです。私たちも馬鹿を見るんですよ!
さて現在のインポーターランキングです。
ラシーヌ、ラフィネ、フィネス、エヴィーノ、ナパ・ワイン・トラスト、ザ・ヴァイン、ヴィナリウス、クラモチ
時点がヴィノラム、オーデックス・ジャパン、ジャパン・インポート・システムです。
時点になった理由は、ロットによってコンディションにかなり差があるからです。ロットによってどのように差が出るかはある程度把握しているの大丈夫なのですが、これって買う側としては疲れるんですよね!良くないと当然返品。この労力がばかばかしい。でもそれでもぎりぎりちゃんとしているわけです。
それ以外のインポーターの95%は駄目でしょうね。きっと私が把握していないインポーターが5%はいるのではないかと思いますがそれも希望的観測です。
2コメント
2016.09.18 20:45
2016.09.17 17:00