オリーブオイルを楽しむ
オリーブオイル、皆さんはどのようにとらえているのだろうか。
オリーブオイルは高価。だからスーパーで安いものを選ぶ。オリーブオイルは健康に良いから。
オリーブオイルには大きく分けてエキストラ・バージンオイル、ピュア・オリーブオイルの違いがある。
エキストラ・バージンオイルは一番搾りであり、オリーブのエキス分が非常に多い。ちょっと温度が下がるとエキス分が沈殿するほど。ピュア・オリーブオイルはエキス分が少なく、普通の油として熱を通す際に使うのに適している。
パスタなどを作る際は、材料を炒める際はピュア・オリーブオイルかエキストラ・バージンオイル。仕上げにエキストラ・バージンオイルを回しかけ風味を足すことでパスタは一段と美味しくなる。そして更にパスタを皿に盛ったら、更にエキストラ・バージンオイルを少しかける。これで完璧。
エキストラ・バージンオイルには本当にいろいろな種類がありいろいろなタイプがある。
果実のエキスが非常に魅力的なものから、ちょっと苦みが合ったり、意外とあっさりしていたりハーブ系の味わいが特徴だったり。国地域や、生産者によって驚くほど風味が違う。
料理に合ったオリーブオイルを使い分けるのが一番良いのだが、そこまでやっている人はほとんどいないだろう。
まずエキストラ・バージンオイルはオイルととらえるより調味料ととらえた方が良い。そのくらい風味に溢れ料理を一変させる。できれば2〜3種類は使い分けるのが面白い。
昔スーパーにいてオリーブオイルを買うと、どこが良いのか分からないほどに変質しているものが多かった。オレイン酸は酸化しにくいという理由だけでけっこういい加減に扱われていたのだ。オレイン酸は酸化しにくいだろうが、エキス分は確実に酸化するために風味が変質しているオリーブオイルがなんと多かったことか。最近はかなり改善されてきているが、まだまだ。常温で店内に置いているようだと悪くなりやすい。
では酸化させないためにはどうしたらよいだろうか。
まずは小さな瓶を買いできるだけ早く消費する。もったいないからと思い、あまり使わずに長く放置していると逆に悪くなって損をする。
ワインセラーをお持ちのかたは、14〜15度の赤ワイン用のセラーに入れておく。12〜13度以下になるとエキス分が沈殿してしまうので気をつけて欲しい。
オリーブオイルは熟成するので管理がしっかりしていれば賞味期限以上にもつのだということは分かっておいた方が良い。
一つ大事なことは、小さな瓶ほど高価だと言うこと。高価なヴァレンティーニなどは、5Lは2万円ほどだが、750MLは6000円、500MLは5000円。コストだけ見ると5Lがいかに安いかが分かる。でも5Lはさすがに多すぎるとお思いの方も多いだろうがほとんどの料理にオリーブオイルを使えばそれほど多いと感じなくなる。私も5Lを半年以内に使い切る。
スペイン料理でオリーブオイルを最も使うのがアヒージョ。素材を低温のオリーブオイルでにる調理法だが、これこそオリーブオイルの違いで美味しさが全然違うのだ。
通常レストランなどでは、それほど高価なオリーブオイルを使わないことが多いので、白ウィンなどを加え風味を足すことが多い。でもオリーブ・オイルが美味しければ白ワインはいらない。
私が好きなホタルイカとジャガイモのアヒージョは、エキストラ・バージンオイルにすったニンニクを加え塩を振ったジャガイモを入れ火にかけたら弱火で煮ていく。仕上げに軽く塩をふったホタルイカを軽く煮て入れ仕上げる。これだけで驚くほど旨い。食べたあとオリーブオイルソースがかなり残ってもったいないので、温サラダのドレッシングに使う。ジャガイモやブロッコリーをゆでてこれをかけるだけ。温野菜にかけると素晴らしく美味しい。
最近気に入っている料理が鶏肉のグリルだが、鶏もも肉に塩胡椒をしてからすったニンニクを鶏に揉み込む。ちょっと多いくらいのエキストラ・バージンオイルでマリネして、トマトや長ネギなどと絡め250度のオーブンで約25分から30分。鶏の皮目が綺麗に色付くまでグリルする。これだけ。滅茶苦茶旨い。
エキストラ・バージンオイルは料理がそれほど得意ではない人でも簡単に料理が美味しくなる魔法のオイルだと思えば良い。
バゲットを買ってきてエキストラ・バージンオイルに漬けて食べるだけで絶品。
エキストラ・バージンオイルに軽く塩を入れたり、パルメジャーノ・レジャーのをすって合わせたり、バルサミコを入れても良い。
サラダに塩、胡椒をしてホワイト・バルサミコとオリーブ・オイルをかけそのまま混ぜてください。これだけで驚くほどの美味しさに!
トマトを適当に切り分けて塩・胡椒をしてからバルサミコとオリーブ・オイルをかけてください。これは旨い!
土から育てたルコラに塩をかけてオリーブ・オイルをかけるだけ!これで立派な逸品に!
スモーク・サーモンにトマトとケパー、薄くスライスしたタマネギ、、イタリアン・パセリを盛り、そこにホワイト・バルサミコとオリーブオイルをかけるだけ!絶品です!
生ハムにオリーブ・オイルをかけるだけで一段と美味しく!
カプレーゼにもオリーブオイルを!オリーブオイルが違うだけで全然違います!
トマトソースを造る際にトマトを煮込んでいるときにオリーブ・オイルをちょっと多めに足します。これだけで数段美味しいトマトソースが。
パスタの仕上げにオリーブ・オイルをかけると一段と風味が良くなります。
スープの仕上げにオリーブオイルを入れる。これだけで美味しさアップ!
私は最近、魚は気に入った魚屋さんで買う。肉は肉屋で。野菜は八百屋で。それ以外のものはちょっと良いスーパーに行って気に入った良い物を買うようにしている。素材にこだわると料理は一変する。子供が沢山いたりして一日のコストが決まっている人は難しいが、良い物を買うと物の価値が分かってくる。高いだけで全然美味しくない物。意外と安いのに美味しい物。安いだけにこだわると目が肥えてこない。それに安すぎるものはけっこうやばい物が多い。
とにかく本当のコスパとは、ある程度コストを覚悟することで磨かれていくのである。そういった過程で人生が豊かになっていく。いい物を買って素材を無駄にしない。そういった意味で歴史の深さを感じる京都に見習うべき点が沢山ある。大根を厚めに剥いた皮は捨てないできんぴらにする。ニンジンは良く洗い皮は剥かないで使う。らっきょうを漬けている液は他の酢漬けに使う。よく考えれば捨てる物は少なくなり、生活は豊かになる。
オリーブオイルも高価だからという考え方はやめ、有効に使えば人生が楽しくなる最高の調味料だと思えば良い。
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