小難しいワインに対する理論は更にワインを分からなくしてしまう

ワインスクールで教えていること。本当にただただ美味しいワインをいただきたいと思っている人にとって本当に必要なことなのだろうか。

なぜ、一般のワイン愛好家がそんなことを知らなくてはならないのか。

生産者の元に行って何故か隣の人が醸造について詳しい事を聞いている。私にとってはあまり必要のないことだ。それを聞くことで一体どうするのだろうか。醸造家にでもなるつもりだろうか。ただただ理論武装してお客様を煙に巻くための道具にするのだろうか?口数の多いソムリエほど嘘くさいのは味わいを分かっていないからこその饒舌なのだ。

ワインは食と同じで口にして楽しむお酒。何故ワインだけがこんな知識を学ばなくてはならないのか。食事をとっていてそんな理論をまき散らす人をほとんど見たことがない。ワインの世界だけが異様な雰囲気を醸し出している。

何故このようなことが起こるのか。

それは生産者の作るワインが彼の蔵を一歩出た途端変質してしまうためだ。たまたま変質して美味しく感じる場合もあるが、ほとんどのワインは変質によって魅力を失ってしまっている。

ワインや日本酒の生産者はそれを知っているのだが、買ってもらえなくなるのが嫌で言及しない。

ワインの世界とは変質したワインで美味しい美味しくないといっている世界なのだ。そしてなかなか美味しいワインを手に入れることができないからついつい学んでしまう。これが更にワインの世界を複雑で得体の知れない世界にしてしまっていることも知らずに。

知識を学びそれを本当に自分の物に出来ている人は少ない。どちらかと言えばただ理論武装して自己満足に浸っている場合の方が多い。

現在の世の中は真理など知らずともそれなりに生きていけるし間違っている世界でも楽しむことができる平和な世界だ。

でももしあなたが真理を知れば「なんだ、そんな単純な世界だったのか」と目から鱗の状態になるはずだ。

現代のワインは早熟に作られている上に、余計な物を入れない傾向があるために純粋な世界がワインの中に描かれている場合が多い。特に安価なワインほど美味しさに溢れているという現実がある。


ではどうしたらそんなワインに行き着くことができるのか。

要するにちゃんとした状態のワインを選べば良いだけなのだ。

ところが状態の良いワインを選ぶことが現実的に厳しいのだ。多くの酒屋さんは店頭にワインをそのまま並べている間に状態の良いワインでも悪くなってしまっている。店が冷えていればそれでいいと思っている。デパートなどで10万円以上するワインがそのまま並んでいる。店によっては高価なワインはセラーに入っているが安いワインはそのまま並べられている。価格だけしか基準になっていないなんとも間抜けな景色だ。そして厄介なことにワインの状態について大きな勘違いをしている人が実に多い。

例えば1軒の酒屋さんがある。その酒屋さんが口にするのはほとんどが自分で仕入れたワインだし酒屋さんに置いてるワイン。その酒屋さんにとってのワインの世界はその中にとどまるのだ。世の中では最近ワインの状態に関しての記載が多い。だからワインの状態のことは気にしているのだが、あくまでも自分の仕入れたワインの中でしか判断ができない。多分このようなことで勘違いすることが多い。インポーターでも同様の状況がある。ちゃんとした状態のワインを知るためには作り手の元で飲んでみるか、ちゃんとしたワインを輸入している6社しかないインポーターのワインを気を遣ってちゃんと飲んでみればわかる。そういったワインを5,6本飲めば知らないうちに分かるはずだ。要するに今このような状況があるのもちゃんとしたワインを飲める環境が非常に少ないという現実があるのだ。

ちゃんとしたインポーターのワインを試飲する機会があれば是非行ってみるべきだ。

試飲会のワインもかなり良くなったが、以前は試飲会の出されるワインが逆にそのインポーターの評価をおとしめるような暴れたワインが多かった。私もかなり口うるさくいったのだが、最近ようやくかなり良くなってきたので行く意味がある。


本当に状態の良いワインならば、単純にそのワインの事がすぐ分かる。そして試飲は瞬間的に判断すること。口の中で何度もくちゅくちゅやってると唾液と混ざってワインは変質する。いくら時間をかけても瓶熟した姿とは同じにならない。テイスティングはあくまでも今までの経験則を元に判定することが大事。もしその経験則がないならば今から作っていけば良い。状態の良いワインは瞬間でそのワインのことが分かるのである。もし分からなければワインに問題があることを疑った方が良い。


ワインの世界は嘘ばかりの世界である。ワインの状態のことに関してはワイン業界ではタブー。ワイン雑誌でそのことに記載している事はほとんどないし、インポーターのことに関して本が出ているが内容からしても話にならない。ほとんど煙に巻いているかのような文章だらけだ。


だけどこのことだけは憶えておいて欲しい。状態の良いワインは誰が飲んでもわかるほどの違いがある。食事をとっている感覚と同じなのだ。私たちも更に活動範囲を広げ状態の良いワインの普及に努めていきたいと思っている。余計な知識など邪魔になるだけなのだ。必要な知識必要でない知識を見極めなければならない。

PUR SANG

美味しいワインがなかなか見つからない、ワインのことが今ひとつよく分からない、美味しいワインを探したり美味しく楽しむためのテクニックを学んでみて下さい。

0コメント

  • 1000 / 1000