本当に素晴らしいワインとは?
先日ヴェネトに行っていた友人から色々と面白い情報を仕入れました。
ヴェネトにはまだまだ知られていない生産者も多くいて、素晴らしい生産者は、
まず農薬や化学肥料など全く使っていません。鉄などの金属も畑では使わず、
日本で良くわらをひも代わりに使っているように物を止めるときのひもも、全て
自分たちで作物などを利用して作っているそうです。
葡萄もフィロキセラに犯されなかった樹も多く、農薬を使っていた生産者
だからこそフィロキセラにやられたといっていたそうです。ただ大きな影響を受けた
19世紀後半農薬があったかどうかは不明ですが。そしてだから樹齢200年の樹などもあり、
農薬を使うと葡萄の樹齢が短くなるといっていたそうです。
イギリスがEUから離脱したのもこういった文化の違い、自然派志向のヨーロッパとは
意識の違いが明確になったのも原因の一つかもしれません。
感動するワインと、まあ美味しいじゃないという感じのワインとの違いはどこにあるのか。
なんで作り手によってここまで味わいが変わってくるのか。
結果としてはもう作り手のセンスの問題という結論です。どのような意識でワインを
作っているのか。結局テクニカルな感じでワインを作っている生産者は美味しい
ワインなど作ることができません。一瞬美味しいと思えるようなワインは作れます。
明確な自分なりの方向性、研ぎ澄まされた感覚こそが美味しいワインを生み出して
いるのです。
農作物も皆同じ。だからこそ美味しい野菜と、何も感じない野菜があるのです。
日本などトマトなんか、けっこうテクニカルに作られている物が多いので食べていて
何も感じません。熊本には行っていませんが、熊本の塩トマト系は感動するほど
美味しい。米だって作り手によって全然違う。水耕栽培の野菜なんて食べる気もしません。
モンテ・ディ・グラツィアのトマト缶が何故あんなに美味しいのか。それは多分
作っている畑を見れば分かるでしょう。
葡萄畑も以前ラヤスの畑を見てあまりにも違うので吃驚しました。まさに景色が
違うのです。
学校で学ぶことも必要ですが、知識がテクニカルな部分だけになってしまうと
ただお金儲けの道具にしかなりません。いかに自分なりに物事を追求していくという
感覚がなければいい物は作ることができないと言うことが、優れた生産者を見ていると
よく分かります。
だからこそ、優れたワインは平行ものなど撲滅し、輸入管理を徹底し、日本での
管理も徹底しなければ作り手本来の素晴らしさを味わうことなどできないのです。
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