ワインホリック

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オリーブオイルを楽しむ

オリーブオイル、皆さんはどのようにとらえているのだろうか。オリーブオイルは高価。だからスーパーで安いものを選ぶ。オリーブオイルは健康に良いから。オリーブオイルには大きく分けてエキストラ・バージンオイル、ピュア・オリーブオイルの違いがある。エキストラ・バージンオイルは一番搾りであり、オリーブのエキス分が非常に多い。ちょっと温度が下がるとエキス分が沈殿するほど。ピュア・オリーブオイルはエキス分が少なく、普通の油として熱を通す際に使うのに適している。パスタなどを作る際は、材料を炒める際はピュア・オリーブオイルかエキストラ・バージンオイル。仕上げにエキストラ・バージンオイルを回しかけ風味を足すことでパスタは一段と美味しくなる。そして更にパスタを皿に盛ったら、更にエキストラ・バージンオイルを少しかける。これで完璧。エキストラ・バージンオイルには本当にいろいろな種類がありいろいろなタイプがある。果実のエキスが非常に魅力的なものから、ちょっと苦みが合ったり、意外とあっさりしていたりハーブ系の味わいが特徴だったり。国地域や、生産者によって驚くほど風味が違う。料理に合ったオリーブオイルを使い分けるのが一番良いのだが、そこまでやっている人はほとんどいないだろう。まずエキストラ・バージンオイルはオイルととらえるより調味料ととらえた方が良い。そのくらい風味に溢れ料理を一変させる。できれば2〜3種類は使い分けるのが面白い。昔スーパーにいてオリーブオイルを買うと、どこが良いのか分からないほどに変質しているものが多かった。オレイン酸は酸化しにくいという理由だけでけっこういい加減に扱われていたのだ。オレイン酸は酸化しにくいだろうが、エキス分は確実に酸化するために風味が変質しているオリーブオイルがなんと多かったことか。最近はかなり改善されてきているが、まだまだ。常温で店内に置いているようだと悪くなりやすい。では酸化させないためにはどうしたらよいだろうか。まずは小さな瓶を買いできるだけ早く消費する。もったいないからと思い、あまり使わずに長く放置していると逆に悪くなって損をする。ワインセラーをお持ちのかたは、14〜15度の赤ワイン用のセラーに入れておく。12〜13度以下になるとエキス分が沈殿してしまうので気をつけて欲しい。オリーブオイルは熟成するので管理がしっかりしていれば賞味期限以上にもつのだということは分かっておいた方が良い。一つ大事なことは、小さな瓶ほど高価だと言うこと。高価なヴァレンティーニなどは、5Lは2万円ほどだが、750MLは6000円、500MLは5000円。コストだけ見ると5Lがいかに安いかが分かる。でも5Lはさすがに多すぎるとお思いの方も多いだろうがほとんどの料理にオリーブオイルを使えばそれほど多いと感じなくなる。私も5Lを半年以内に使い切る。スペイン料理でオリーブオイルを最も使うのがアヒージョ。素材を低温のオリーブオイルでにる調理法だが、これこそオリーブオイルの違いで美味しさが全然違うのだ。通常レストランなどでは、それほど高価なオリーブオイルを使わないことが多いので、白ウィンなどを加え風味を足すことが多い。でもオリーブ・オイルが美味しければ白ワインはいらない。私が好きなホタルイカとジャガイモのアヒージョは、エキストラ・バージンオイルにすったニンニクを加え塩を振ったジャガイモを入れ火にかけたら弱火で煮ていく。仕上げに軽く塩をふったホタルイカを軽く煮て入れ仕上げる。これだけで驚くほど旨い。食べたあとオリーブオイルソースがかなり残ってもったいないので、温サラダのドレッシングに使う。ジャガイモやブロッコリーをゆでてこれをかけるだけ。温野菜にかけると素晴らしく美味しい。最近気に入っている料理が鶏肉のグリルだが、鶏もも肉に塩胡椒をしてからすったニンニクを鶏に揉み込む。ちょっと多いくらいのエキストラ・バージンオイルでマリネして、トマトや長ネギなどと絡め250度のオーブンで約25分から30分。鶏の皮目が綺麗に色付くまでグリルする。これだけ。滅茶苦茶旨い。エキストラ・バージンオイルは料理がそれほど得意ではない人でも簡単に料理が美味しくなる魔法のオイルだと思えば良い。バゲットを買ってきてエキストラ・バージンオイルに漬けて食べるだけで絶品。エキストラ・バージンオイルに軽く塩を入れたり、パルメジャーノ・レジャーのをすって合わせたり、バルサミコを入れても良い。サラダに塩、胡椒をしてホワイト・バルサミコとオリーブ・オイルをかけそのまま混ぜてください。これだけで驚くほどの美味しさに!トマトを適当に切り分けて塩・胡椒をしてからバルサミコとオリーブ・オイルをかけてください。これは旨い!土から育てたルコラに塩をかけてオリーブ・オイルをかけるだけ!これで立派な逸品に!スモーク・サーモンにトマトとケパー、薄くスライスしたタマネギ、、イタリアン・パセリを盛り、そこにホワイト・バルサミコとオリーブオイルをかけるだけ!絶品です!生ハムにオリーブ・オイルをかけるだけで一段と美味しく!カプレーゼにもオリーブオイルを!オリーブオイルが違うだけで全然違います!トマトソースを造る際にトマトを煮込んでいるときにオリーブ・オイルをちょっと多めに足します。これだけで数段美味しいトマトソースが。パスタの仕上げにオリーブ・オイルをかけると一段と風味が良くなります。スープの仕上げにオリーブオイルを入れる。これだけで美味しさアップ!私は最近、魚は気に入った魚屋さんで買う。肉は肉屋で。野菜は八百屋で。それ以外のものはちょっと良いスーパーに行って気に入った良い物を買うようにしている。素材にこだわると料理は一変する。子供が沢山いたりして一日のコストが決まっている人は難しいが、良い物を買うと物の価値が分かってくる。高いだけで全然美味しくない物。意外と安いのに美味しい物。安いだけにこだわると目が肥えてこない。それに安すぎるものはけっこうやばい物が多い。とにかく本当のコスパとは、ある程度コストを覚悟することで磨かれていくのである。そういった過程で人生が豊かになっていく。いい物を買って素材を無駄にしない。そういった意味で歴史の深さを感じる京都に見習うべき点が沢山ある。大根を厚めに剥いた皮は捨てないできんぴらにする。ニンジンは良く洗い皮は剥かないで使う。らっきょうを漬けている液は他の酢漬けに使う。よく考えれば捨てる物は少なくなり、生活は豊かになる。オリーブオイルも高価だからという考え方はやめ、有効に使えば人生が楽しくなる最高の調味料だと思えば良い。

ワインを輸入する際の問題点

最近お付き合いしているインポーターでもまだまだ若干の問題点があります。現地に行った際に飲んだ味わいと違うという問題です。輸入されたばかりでワインが不安定という場合もありますが、その場合の現れ方は全然違います。ラシーヌでさえも昔は問題があるワインがありましたが、最近気になるワインは皆無。フィネスなどは万全を期し現地で飲んだだけでは買い付けはせずにあくまでも日本に送らせて何度も確認してから輸入を決定するという話を聞いたことがあります。ワインは若干の問題があったときに大きく変化してしまう作り手と、それほど大きくは変わらない場合があります。当然完璧に輸入された際の味わいは、ちょっと違うのですが、大きく変化してしまうと魅力を全く感じられないことになってしまいます。私たちが信頼しているインポーターでも問題が起こることがあるわけですから、輸入がいかに難しいかを実感します。生産国内での定温輸送は当たり前ですが、トラックに積むまでの間ワインが運び出され積むまでの温度管理など見えない部分での問題点など、実はインポーターがなかなか管理しにくいところもあります。現地スタッフを置き積み込む際の管理までしているところはほとんどありませんし難しい問題は山積です。やはり生産者とじっくり話し合い、生産者ですら気がついていないことを納得してもらうようなことが必要です。インポーターでワインを厳選し、それをワインショップ側で選び抜くことで皆様にワインをお届けしなければなりません。責任重大です。

ワインの状態をなかなか認識できない理由

ワインは作り手さえしっかりと選べば、その生産者の蔵でワインを飲むと驚くほど美味しいのです。ところが輸入される過程で本来の美味しさが感じられなくなるような事態になるのです。その理由はワインの価格を下げることのできる要因が大量購入と輸送コストのカットしかないからなのです。大量に輸入されたワインは通常販売では売り切れないために大幅に価格をダウンし赤字でも売り切る。よく考えれば価格を下げて購入するために大量購入したのに結局意味がないようなことをしているわけです。輸入コストのカットはワインそのものの状態を悪くしてしまいます。何故か船だけ定温で輸入したと輸入者ラベルに記載し、それ以外のトラックなどは常温でという分からなければ良いと思っているわけです。赤道直下を通る船便で定温で運ぶことはより悪化することは防いでくれますが、ワイン自体はもうそれまでにある程度劣化しています。一度劣化したワインは絶対に元に戻ることはありません。劣化で一番先に感じられることは酸の劣化です。酸が劣化することで美味しさの半分以上がなくなってしまっているのです。世界的に健康志向になっている現代、フレンチなどを見れば歴然なのですが、30年前と現在とでは料理が驚くほど変化しています。それと同じことがワインの世界でも起こっています。30年前の味わいで育ってきた私たちが現代のワインの味覚に順応することは非常に難しく未だに昔を懐かしむ人も多くいます。逆に日々ワインを飲んでいる方は、私の想像以上に現代のワインになじんでいることに驚かされることもあります。現代のワインは自然派と言われるように、農薬など人工的な物を極力使わずに、酸化防止剤も使わないようなワインが増えています。簡単に言えば味わい自体昔のワインとは全然違いますし、ワインも早熟で熱劣化にはワイン自体が弱いのです。味わいのインパクトや主張が昔のワインと比べもっと繊細なところにあるので、ワインが壊れてしまうとその魅力の大半がなくなってしまいます。では昔のワインは熱劣化に強かったかと言えば実はそんなことはありません。昔は吃驚するほど酷いワインもあった。ただ熱劣化によって無理矢理熟成が進んだようになったり、独特の腐敗臭が魅力的に感じたりすることがあったわけです。それも現代のワインのように早熟なワインは少なく何年も寝かせないと飲めるようにならなかったのです。輸入だけでも問題は山積ですが、実はワインの販売自体にも大きな問題があるのです。私の経験上、ワインの保管に関しては年間の温度差はある程度あった方が良いのですが、一日に2度以上の大きな温度変化にさらされると明らかにワインは劣化していくのです。私が飲食店をしている頃にある酒屋さんから仕入れていたのですが、そこには箱そのままで保管する倉庫と店舗に分かれていました。通常は輸入されたばかりのワインを購入していたので良い状態のワインが多かったのですが、あるとき直接そこの酒屋さんに行って店舗にそのまま置いてあるワインを購入したらワインが本当に酷い状態だったことがあったのです。これだけ良い状態のワインを輸入しているのにこの差ってどういうことなのだろう。ある意味これがワインの保管に対する疑問のスタートだったのかもしれません。その当時はいろいろなインポーターや酒屋さんを使ってみましたが、当然良くないワインもあるわけです。その過程でインポーターの違いや酒屋さんの違いを意識していったのです。デパートや酒屋さんの多くは店舗にワインをそのまま置いてあります。最近はパリなのでもそんなお店が増えています。今では大手のワインショップですが、昔そのショップに行ったとき、店内はある程度涼しい環境だったのですが、店内に入りきらないワインを外に放置してあったことを未だに憶えています。他のワインショップでは店内に高級ワインだけを入れてある部屋のようなワインセラーがあったのですが、天井を見上げたら屋根がなく店内と同じ環境。壁しかない驚きのワインセラーでした。レジはボイラーのすぐ前にあり凄く暖かい。最近ではそんなことはなくなったと思いますが、とにかく店内をいくら冷やしても人の出入り、エアコン自体の温度差によって店内は大きな温度変化にさらされます。それが凄く問題なのです。大きな部屋のようなセラーにも問題があり、温度変化が多いのです。セラーの中に入れてもケースなどにワインを入れなければワインは確実に劣化していくのです。大手のインポーターや酒屋さんはバラだしでワインを詰めやすいようにセラー内にワインをそのまま並べているところも多く、ケースに入れているワインよりも明らかに劣化している可能性が高い。最近は酒屋さんにしてもインポーター、飲食店でも極力在庫を持たないような方向性になっているので、飲食店でもケース単位では購入しないでバラで購入することが多い。それの方が外れがでても次から買わなければ良いので現実的。でもバラだしにはこんな危険もあるのです。飲食店でもセラーが古くて振動がでてしまっていたり、温度変化が大きいセラーもありますし、場所がなくて振動が大きい冷蔵庫にワインを保管していることもあります。店によっては未だに店内にそのまま起きっぱなしだったりすることもあります。これだけ問題のあるワインの世界ですが、それでも昔と比べると良くなっているのは事実。意識の高い人が多くなっているのです。さてここからが本題。最終的にお金を払ってワインを楽しむ人たちが何故ワインの状態を認識できないのでしょうか。それは状態の良いワインだけを提供しているお店が非常に少ないからです。つまり有名なワインには出会えても状態の良いワインに出会える機会が皆無に近いのです。でもワインには興味がある。ワインを単純に美味しいと思えない、でもたまに美味しワインがあり魅了される。なんて不条理で訳の分からない世界。だから勉強好きの日本人はワインスクールに行くのです。でも多くのワインスクールはテイスティングで使用するワインは劣化していますし、ワインの知識は教えてくれても状態の良いワインをどのように手に入れられるかは教えてくれません。だから頭でっかちの人が増えたり、資格を取ることだけが目標になったり、出会いの場という意味合いが大きくなったりするのです。しかしそういった現実があっても、実際ワインを楽しもうと思っても周りにワイン好きがほとんどいないという現実もあり、やはりワインスクールは価値があると感じてしまうのです。基本的にワインに興味のある人しかいないという特殊な環境だから。ではここで一番問題なのは何かと言えば教える側にあるわけです。ワインを飲ませる側のお店にいるソムリエなど、そして学校でワインを教える教師、これらの人の意識が変わらなければ何も変わらないのです。私が知っている限り、昔よりもは良くなっていますがまだまだです。全体からすれば1%もいないのが現実でしょう。ではどうすれば良いのか。状態の良いワインを手に入れてそういった環境の中に身を置くことです。ワインは食事と同じで、美味しい美味しくない、好き嫌いだけでワインを感じていくのが最も早道でわかりやすいのです。私は最近梅丘にある魚屋さんでしか魚を買いません。正直スーパーより高い。でも魚の大きさや良を考えると実はそこまで高くないのですが、とにかく美味しさのレベルが違う。もうスーパーの魚なんて買えません。野菜や肉もそういったお店を探さなくては、、。一度状態の良いワインを味わい、状態の良さを更に引き立たせるテクニックを知ってしまえば、状態の良いワインの世界から離れることができなくなります。そしてそこには幸せが待っているのです。昔は麻薬的なワインの世界でしたが、最近のワインは麻薬的ではなく幸せ感が高くなる感じです。お酒はストレスを紛らわせるためにアルコール度の高い物を飲むとアル中になりますが、ワインは健康的でアル中にはつながりにくい。美味しい料理を楽しむようにワインを楽しむ。なんとも幸せな世界なのです。

飲めばわかるワインの世界

めまぐるしく進化しているワインの世界。確かにいろいろな新しい革新が起こり今まで分からなかったことが分かるようになりワインの世界は過去最も進化している時代です。その核心は実は原点回帰。農薬や人工的な薬剤などに頼らない自然派志向です。1970年代に起こった効率化の波。確かに良い面もありましたが、マイナスの方が大きく新たなる原点回帰の波が農業の世界に起こっています。その中でもう一度原点から見直した農業の革新が起こっているのです。ワインは船に乗せて世界一周すると美味しくなるというのは昔の話。昔のワインはそれほど長熟だったのです。脚色したようなワインが多かったのも、1980年代まで。今ではそういったスタイルのワインもかなり影を潜めています。ですから1980年代までの姿をワインに求めても今ではほとんどのワインが違うスタイルになっているのです。進化しているといってもまだまだ道半ば。現在は優れた醸造家が素晴らしい姿を見せ始めていますが、逆にコンサルタントなどによって作られた姿のワインも多く作られています。間違いのないワインという意味ではコンサルタントの作ったワインも価値はあるのでしょうが、心に響くようなワインにはならないというのが現実です。現代のワインは昔に比べると遙かに早熟で、熟成による魅力の現れ方もそれほど時間がかかりません。酸化防止剤がワインの味わいを変化させてしまうために最近では酸化防止剤の添加量もかなり減っていますし全く使わないようなワインも現れ始めています。ですから現代のワインは管理の大切さが、その味わいを保つための大きなポイントとなっているのです。ところが残念ながらワイン生産国でも未だにワインの管理に関してはあまり注目されていません。一部の人たちがその重要性に気がついているだけです。あまり神経質になると、売れにくいし気軽さが経るという意味合いもありワイン本来の美味しさを知る機会はほとんどありません。料理と同じで味わいに神経質な人は、例えば新鮮なイカを裁くときに氷水に漬けて処理をするのか、単に水道水で処理をするのかで美味しさに大きな違いが出てきますが、これをするのかしないのかこれとほぼ同じ感じだと思います。要するに食事や飲み物に対しての神経の集中度の違いです。人生の中で口にする物をどの程度大切にしているかでその人のやり方も違ってくるわけです。現代ではインスタント食品や、コンビニなどで気軽に買える昔より遙かに美味しい物が増えているために手間をかけたりするのを嫌いますし、こんなもんでいいかという高見を求めない真の姿を追求しないところもあります。ワインの世界でもそういった姿勢の関係者が多く、プロのあり方が問われています。ワインホリックの考え方は、インポーターと主に少なくともワインが手元に届くまではプロとしての本質を追究しちゃんとした姿のワインをお届けするという姿勢です。理想的には100%そうしたいのですが、まだ90%ほどまでしか達成はできていませんが、できるだけ100%に近づけたいと思っています。皆さんがワインスクールに通う理由。多分ワインを飲んでいてもよく分からないというのが理由の一つにあるのではないでしょうか。日本人は学校が大好きですから自分で試行錯誤するよりもとりあえず学校に通って早めに知識を付けることが最短だと思っているのでしょう。資格も取れ自己満足度も上がる。しかし実は知識は付けることができても美味しいワインを選ぶ能力は育ちません。ワインを選ぶときにちゃんとした状態のワインを選べばあとは飲めば飲むほど自然にワインのことが分かってきます。はじめは面食らうようなワインもありますが、まずは自分が好きだと思ったワインを追求してみれば良いでしょう。人間は飽きっぽい人が多いですからそう思ったらもう少し範囲を広げて違うワインを飲んでみる。そうやって試行錯誤をしていくのが本当は最も早道なのです。そして楽しい。私も実はそうやってワインを憶えてきました。有名なワインだから美味しくて当たり前だろと思ってワインを飲むのではなく、美味しくなかったら美味しくないと思うことが大切です。自分勝手に美味しい美味しくないと思うことが一番大切なのです。人がなんと言おうと美味しくない物は美味しくない。好きな物は好き。こう思ってワインを飲むことでワインのことが分かってくるのです。野菜でもここの八百屋さんの野菜が美味しい、この季節はこの産地の物が良い、誰々サンが作った野菜は美味しい。ワインはこれと全く同じなのです。ですからできるだけ鮮度の高い物を届けてくれる八百屋さんが良いのです。もしあなたが少しでも美味しいワインを選べるようになりたいと思っているのでしたら実践してみてください。PUR SANGにはワインの世界はよく分かる記事や、どうやったら更に美味しく感じるかが分かるような記事が沢山あります。まずは少しずつ実践してみてください。あなたのワインに対するイメージが劇的に変わること請け合いです。

美味しいワインを手に入れるための真実

今回南アフリカを訪れ改めて美味しいワインを手に入れる難しさを思い知らされました。3年に一度のCAPE WINE 2018。南アフリカの多くの生産者達がバイヤーとの交渉に挑む場所ですが、ここで用意されていたワインは本当に素晴らしいものでした。夜の時間はいろいろなレストランやワインバーに行きましたが、状態の良いワインもあればがっかりするようなワインだったりと様々。現地だから美味しくて当たり前となんて勘違いしたらいけません。これはフランスでも同じことでちゃんとしたワインを出すお店は非常に少ないのです。ワインの管理に対する意識はまだまだ低く現地で生産者の元でワインを飲んでいながらこの有様なのです。私がいつも一緒にワインを飲んでいる方々に以前質問をしたことがあります。そうすると味の記憶力をもっている人は半分ほどでした。つまり以前飲んだワインの味わいを明確に憶えている人はそうはいないのです。つまり意図的に分かっていて状態が悪くても気にしない人ばかりではなく、分からない人もいると言うことです。味わいの記憶力が優れている人にとってはこの現実は非常に残酷なことですが、これが生産国と他の国で飲まれるときの差が明確に出てしまう一つの要因になっています。ワインのインポーターは特に上場企業の場合、できる限り利益を出すためにコストを削っていくわけですが、そのためには出来るだけ多くの量を買ったり、輸入コストや国内での配送コスト、倉庫のコストを減らすことしかコストカットの方法はないのです。ヨーロッパでもEUの他の国に陸送する場合、ほとんど定温トラックは使われていないのが現実です。ですから感覚の優れた人たちは、自分たちの車で直接ワインを買いに行っています。ワインの世界を牛耳っているイギリスも、作り手の元で試飲し批評しているとは思えず、運ばれたワインを集めて試飲をしていると思われます。こうなってくると熱劣化で酸が壊れたワインを試飲するわけで本来の素晴らしさが感じられないワインは除外されてしまいます。以前とある雑誌の特集でワインを試飲したことがありますが、ただテーブルの上にワインを置き温度も高くぼやっとしたワインを試飲していました。これでは正直ワインの本質など分かりません。つまりこれがプロとされる人たちがやっていることなのです。未だに古典的スタイルのワインが好評価を得るのはこういったところに原因があります。ワインの状態にも色々ありますが、ラシーヌなどを中心とした優れたインポーターのワインとまあまあいいかなと思われるワインのホリックの基準から漏れたワインの違いは酸の喪失。リリースした手のワインが妙に開いた感じで飲みやすくなっていて勘違いしてしまうような魅力的な香りがし、味わいは要素が表に出ていて一瞬美味しく感じるのですが、妙に飲みやすくでもフレッシュ感がなくものによってはべたっとしたような甘さを感じてしまいます。大人数で飲むのでしたらせいぜい1〜2杯なのでまあなんとなく良いかなと思ってしまいますが、一本飲むのは面白みに欠けます。ましてこういったワインを熟成させても本来の美味しさなど絶対に出てこないのです。酸が壊れるとボディーのシルキーさ、滑らかな粒子の感じが無くなってしまいます。飲んでいて飽きが来るのはフレッシュさが足りないせい。張りのある感覚がないワインは熱劣化していると思って間違いありません。南アフリカのワインバーで飲んだワインは、味わいが壊れていて更に劣化していましたが。さて日本ではワインを学んでいる人がかなりいらっしゃいます。ワインのことを知ることは非常に大切ことなのですが、知識ばかり得ても美味しいワインを手に入れられることにはつながりません。評論家の本を参考にしても優れたポイントを獲得している生産者のワインは手に入れられますが、高価ですし状態が良いワインはほとんどないというのが現実。まさにエチケットを飲んでいるような行為です。私がインポーターを選ぶときはそのインポーターが輸入しているできるだけ安いワインを依頼します。一番安いワインはすぐ開くワインが多く酸がやられているとすぐ分かるのです。このクラスのワインを適当に輸入しているインポーターのワインは高額なワインも同じなのです。正直ラシーヌ、フィネス、ラフィネなどの優れたインポーターのワインでもあれっと思うときがあります。それだけワインの輸入は難しいのです。輸入だけでなくワインが劣化する要因はコルクなどにもあり判定するのはかなり難しいのですが、それでも今の輸送技術はかなり良好な状態で輸入する条件が整っています。多くのワインラバーの方々は状態の良くないワインを飲んでいるのです。その中から美味しい美味しくないの基準が作られていきます。私が最も信じていないのが知識偏重型のソムリエと多くを語るソムリエです。味わいが分かっていない人ほど口数が多いのです。味わいが分からないから、美味しいと思っていないから知識でカバーしようとするわけです。一番大切なことは自分を信じること。皆さん料理を食べたときに美味しい美味しくないは当然ご自分で判断すると思います。感動する料理もあればまあこんなものかなと思うときもある。でもワインに関しては分からないと思ってしまう。これではいつまでたっても美味しいワインを手に入れることは出来ません。ワインに対してもっとシビアになってください。美味しくないものは美味しくないのです。そしてその原因を探ってみる。自分なりに原因を追及していけばきっと確立が良くなっていきます。分からないことがあればいつでもお問合せください。

ワインを良好な状態で保管する必殺技

もう閉店してしまいました、私が経営していたヴァン・ヴィーノ・ブリュレ。自分で言うのも何ですが、最高の状態のワインばかりでした。あのような経験があったためにワインの保管に関する経験が深まりました。以前から言っていますが、ワインにとって重要なのは、ちゃんとした管理で輸入されたワインを購入すること。一度変質したワインは二度と健全な状態には戻らないのです。だからこそインポーターの厳選が必要なのです。プロと呼ばれるワイン関係者でワインの状態に関してしっかりとした知識を持つ人はほとんどいないのが現実です。プロと言われる人はワインの知識を持っているだけの人が多いという事実を知ってください。しかしこれは長年、健全なワインを飲む機会が持てなかった故です。さてインポーターを厳選したら、今度はワインを買う酒屋さんです。酒屋さんはフランスでもそうですが、売るために見た目重視。管理の良い酒屋さんはほとんどないのが現実です。別に私だってワインホリックだけなんて書きたくないですが、店内に裸でワインを置いていること自体私にとってはあり得ないことです。さてでは自宅でのワインの保管方法です。セラーでは私の知っている限りではフォルスターのデュアルが良いと思います。ただ中国で生産しているために個体差があり、良いものは抜群なのですが、不良品もあります。ですから初期の段階で問題があったらすぐに交換してもらうことです。どうも基盤に問題があるようです。ワインセラーはどうぞ安いところで買ってください。もし今あるセラーでなんとかしたいのでしたら、まずは振動対策として振動吸収剤を引いた上にワインを置きます。これはネットで売っています。そして空気の循環など考えずにワインを出来るだけ詰め込んでください。実はこれが温度変化を少なくするこつです。空間を少なくスるのです。そしてセラー内の温度変化に対する対策として、アルミの保冷袋にいれてワインを保管することです。これで一日の温度変化はほぼなくなります。この対策でワインの味わいは劇的に改善されるはずです。

エマニュエル・ルジェの最新情報

昨日銀座SAGAYAで行われたエマニュエル・ルジェの次男であるギョーム氏との食事会。料理も素晴らしく美味しく新しい情報が得られました。ちなみに手前の男性はSAGAYAのシェフ。真ん中がギョーム氏、右側はヴァン・ヴィーノ・ブリュレにいた山本。左側はスタッフ。さて今までえられていた情報にかなり間違った部分がありますので修正させていただきます。 まずエマニュエル・ルジェ / オート・コート・ド・ボーヌ・ブランはシャルドネではなく樹齢50年のピノ・ブランで作られています。 ジョルジュ・ジャイエのエシェゾーは今まで遺族の意向で新樽は一切使われていないとされてきましたが、70%の新樽使用率だそうです。現在ルジェのエシェゾーはジョルジュ・ジャイエ、ルシアン・ジャイエともともとルジェが受け継いだ区画との3つの畑のワインで作られているそうです。ルジェのエシェゾーがアンリ・ジャイエの時代より遙かに良くなったのにはジョルジュ・ジャイエ、ルシアン・ジャイエの区画が加わったことが原因です。ルシアン・ジャイエのエシェゾーは昔飲んでいますが、かなり素晴らしかったですし、ジョルジュ・ジャイエの畑もかなり良かった記憶があります。多分すべてアンリ・ジャイエが作っていたのだと思いますが、現在のルジェのエシェゾーはかなり恵まれた区画だと言えます。 最近はクレマンの製造も始めています。ブラン・ド・ブランで素晴らしい出来映え。ボーヌのクレマン製造会社に委託しています。 ニコラ・ルジェのワインに関してはエマニュエル、ニコラ、ギョームの3人体制で作られておりニコラの主張が最も強くでていますが、ニコラだけが作っているわけではありません。リリース直後は非常にドライで酸が強いのですが、2〜3年で驚くほど変化し魅力溢れるワインになります。またギョーム氏も彼の名前で2年間だけワインがリリースされていたようです。数が少なく現在は蔵にも在庫はないそうです。彼はボーヌの醸造学校で学んだそうです。 現在は3人体制で運営していく準備中で将来的には全てのワインはエマニュエル・ルジェの名前で統一されるそうです。最近は畑を増やしており、買い付けた畑、貸借した畑などがあり今後リリースされるワインは増える予定。ニコラ・ルジェの名前を冠したワインは今後貴重な存在になるかも。 ニコラは畑の管理、ギョームは醸造と営業という体制でエマニュエル・ルジェの引退はまだ未定。

シャンパン以外のスパークリングワインが今熱い!

シャンパンと言えば、昔は熟成させることでとても通常のシャンパンとは思えないような複雑な表情が出るのでやはりシャンパンでなければと言う感覚だった。そこはブルゴーニュのワインと同じ感覚。しかし時代の変遷と共にシャンパンもブルゴーニュと同じように変わってきている。脚色系のシャンパンが減り、自然派を中心とした世界に変わりつつあるのである。元々シャンパンは御祝いの時などに開ける派手やかな飲みものとしての需要が高くとりあえずシャンパン!的なワインバーでは通例だったのだ。ところが見栄を張らなくなった昨今、最初にシャンパンで乾杯する人は激減。シャンパンも大きく変わり昔のような感動的なシャンパンはかなり減ってきている。そうなってくると注目されるのはシャンパンではないスパークリングワインだ。昔はシャンパンでなくては美味しくないと思っていたが、その大きな要因はまずワインのコンディションの問題だ。これさえ解消されれば、実はスパークリングワインでもかなり美味しいものがい多いのだ。まだまだコスパの高さという意味での存在感とも言えるのだが、徐々に独特の旨味を発揮するスパークリングワインが増えてきている。ワインホリックでも売れ筋はスパークリングワイン。シャンパンでは比較的リーズナブル系の旨みののった安いものが主流だ。しかしそれに反するように高額なシャンパンが増えているという現実もある。自然派のコストが価格に反映されているという見方も出来るが、新しいシャンパンの世界の確立が進んでいるとも言えるのだ。もともと地理的にも非常に恵まれた土地だけに潜在能力が高くやはりレベルが違うともいえる。しかし昨今のワインの需要の伸びはリーズナブル系のワインが生活の中に溶き込み始めていると言うこともある。私が感じているのはここ数年で更にスパークリングの質が上がってきていると言うこと。これは自然派系のワインの進化が凄まじいと言うことだ。スパークリング以外でも自然派のワインの進化は目を見張るものがある。昔と違って国をまたいで交流が進むことで情報のやりとりが頻繁に行われ進化の速度が増しているのだ。フェイスブックやツイッターなどに多くの生産者が参加しているのを見てもわかるように今では生産者間だけではなく一般のワイン愛好家も生産者と気軽に交流が図れるようになっている。携帯電話がコミュニケーションの世界を激変させ、今ソーシャルメディアがワインの世界も大きく変えているのだ。画一化も進んでいるのだが、新たな個性も生まれている。まさに2000年代は新たなワインのスタートの時期とも言える。この緊張感がシャンパンやスパークリングワインの世界にも感じられるようになってきた。大御所と言われた生産者達がこぞって自然派の世界に参入してきているのを見ても明らかだ。シャンパンやスパークリングの世界は有名であるか如何で価格が違うものが多いのだが、意外と有名なほどにその価値がないものも多い。そういった意味でもやはり実際に飲むことで選ぶことが肝要なのだ。ワインホリックのスパークリングワインはあくまでも飲んだ印象のみで選んであるのだが、スパークリングワインも他のワインと同じで実は時間が経ってみると大きく印象の変わるものも多い。だから一度の試飲で決めてしまうことはない。何度も試飲することで仕入れをやめるスパークリングもある。とにかく一番大事なのはスパークリングワインのコンディションである。そして落ち着かせること。特に泡系は落ち着かせることで味わいに大きな違いが出てくるのだ。輸入されたばかりの泡と半年おいた泡とでは別物のような違いが出てくる。状態が悪く酸が壊れてしまっては、本質が全く見えないの。表面的な旨味ばかり見ていると最新のスパークリングワインの本質的な旨味が見えてこないのだ。シャンパンばかり飲んでいる人たちは、味わいの印象の違いや果実の濃さなどの理由でやっぱり安物は駄目だと思ってしまう人もいるとは思うが、何度も飲めばその美味しさの理由を体でわかってくるはずだ。CONTENTSに戻る

ワインにとって酸が一番重要なのです

私たちがワインを楽しみ始めた30年ほど前は長熟なワインが多く、わざとワインを酸化させて旨味を引き出すような手法が一般的でした。その当時はワインの輸送も今のように確立されていないために現在のような作り手の蔵と同じような状態のワインを手に入れることは非常に難しかったのです。それでも現在のような温暖化の影響は少なかったために慎重に輸入すれば同じような輸入の仕方でも現在よりも状態の良いワインは多かったのです。酸のことに関してはレモンが一番わかりやすいのですが、もしレモンを冷蔵庫ではなく常温で1週間放置するとフレッシュな酸が失われることは誰でもご存じでしょう。料理にレモンやかぼすをかけるとフレッシュな酸が料理の輪郭を明確にしてくれます。ビネガーに関してもレストランなどでは常温で放置し酸を壊し柔らかくして扱っているところもありますが、これでは本来のビネガーの良さを引き出していません。酸は甘みと合わせバランスをとることで非常に意味をもってくるのです。酸が苦手な方もいらっしゃいますが、それはある意味バランスが悪いときの酸が苦手だと思った方が良さそうです。火を通して使う酸の場合はまた意味合いが違ってきますが、火を通さない場合は全体的な酸と甘みのバランスを考えれば非常に美味しく出来ます。ワインの場合も同じで、ワインの酸が壊れてしまうと一気にワインの輪郭がぼやけてきます。ワインの酸によって魅力的に感じられた果実味も酸が壊れると同時に疑似熟成し急激に壊れます。通常あり得ないほど熟成の進んだようなワインは酸と同時に果実味も壊れていると思って良いのです。そういった状態を魅力的に思ってしまう場合もあります。特にフルボディーのワインにそういった傾向があります。私たちも以前はそのようなワインに大いに興味がありましたが、現在のように繊細に作られたワインは以前のような魅力は出てきません。現状のようにコンディションの良いワインが手に入るようになると、本来のワインの魅力を確認出来るようになります。そうなってくるといかに状態の悪いワインがぼやけているのか、多くの魅力を失ってしまっているのかがよくわかります。現状の状態の良いワインも実は扱い方が難しくなかなか本来の姿を見ることは新調に扱わなければ難しいのですが、それでもかなり高い確率で美味しく飲むことは出来ます。ワインホリックのワインを飲んでまず何が違うのか、それは他のワインにはないフレッシュ感があるのです。このフレッシュ感こそが酸が壊れていない証拠なのです。レストランに行くと私たちの感覚よりも高い温度でワインを提供している場合があります。コンディションの良いワインを高い温度で提供してしまうと輪郭がぼやけてしまいます。状態の悪いワインは温度が低いと要素がでにくいために温度が高めの方が良いのです。これはレモンと同じで料理にかけるなら常温のレモンより温度の低いレモンの方が酸が明確で美味しく感じるのと同じことです。状態の良いワインはちょっと低めの温度の方が酸が生き生きと感じられ輪郭が明確になるのです。低すぎると要素が全てわからなくなるので白や泡は8度〜9度、赤は14度から15度を基本で考えてください。ワインによって温度を若干変えることも必要です。酸は一度壊れると二度と元には戻りません。酸が壊れる要因は高い温度と温度変化です。1日2度以上の温度変化に1週間放置されるとワインの酸は徐々に壊れてきます。皆さんよく勘違いされていますが、ワインがなかなか開いてくれない、要素がなかなか現れないと思っている多くのワインはすでに酸が壊れているのです。状態の良いワインは古いスタイルのワインでない限り、とりあえず若くてもフレッシュ感があり果実味も健全。果実が若いなと感じるのは当然ですが、なかなか開かない不健全なワインとは全く姿が違うのです。料理の変化と主に今ワインも大きく姿を変えてきています。自然派系のワインも今では多くの生産者が取り入れ、一般的になりつつあります。そういった現状においては酸化防止剤の量も減り、ワインもより繊細になっています。こういった現状で以前と同じようなワインの輸入の仕方、同じような管理方法では方との美味しさを引き出すことは出来ないのです。かなかな変わらないワイン業界、テイスティングの仕方も実におおざっぱですし試飲会に行っても呆れることが多いのですが、プロがこのような状態ではいつまで経っても美味しいワインにたどり着くことは出来ません。プロはワインは安くないと売れない、有名でないと売れない、どうせ味なんか客はわかっていない、実はこんなことを思っている人が多いのです。呆れるばかりですが、昔からこれがワインビジネスだと真顔で語っているプロが多かったのです。今こういった常識が徐々に変わりつつあります。ラシーヌ、ラフィネ、フィネスを中心にワインビジネスという虚構に左右されることなく我が道を行くインポーターがここ10年静かにワイン業界を変えてきたのです。そして若手の飲食店を中心に徐々に状態の良いワインが浸透し始めていますし、最終的な飲み手であるワインファンも次第に変わり始めています。ワイン業界はなかなか変わらないのでワインを楽しんでいる皆さんの力が最終的にはワインの世界を変えていくことを是非知ってください。CONTENTSに戻る

古典的ワインと現代的ワインの違いを検証する

私たちが昔楽しんでいたようなスタイルのワイン、熟成すると官能的になりその姿に我を忘れるくらいはまりきった世界。今でも懐かしく感じます。今だから明かしますが、昔サヴァサヴァというバーでその当時では珍しい特別に作ったワインセラーを設置し極めて素晴らしい熟成したワインを沢山揃えていました。その当時はカウンターでワインを楽しむということはほとんどなく、ワインは食事と共にというイメージだったので当初はワインを出すことに苦労しました。しかし知り合いを中心に徐々にワインが出始め、カウンターでワインを飲んでいる人たちを見た初見のお客様達も徐々にワインを楽しむようになってきました。当然その頃はグラスワインはなくほとんどがボトルで飲む感じ。その当時私は輸入も手がけるとある酒屋さんだけからワインを買い付けていましたが、そこのワインは明らかにその当時日本で最も状態の良いワインの一つでした。特に熟成したワインの品質が素晴らしかったのです。銀座などにも有名な酒屋さんがありましたが、状態が酷くよくこんなワインを高い金を払って買うなとちょっと呆れていたのです。その当時は現在ラシーヌの合田さんがいらした八田商店、そして現在フィネスの社主である藤田さんがいた富士発酵、現在のヴィナリウス、当時はエノテカワインセレクション、ここだけが状態の良いワインを輸入していましたが、熟成したワインが数多く入手出来るので正直あまり関心がありませんでした。ボトルでワインを開けたお客様は、一口飲んだだけで確実にワインにはまり今まで見たことのないような世界にすっかりとはまりきってしまったのです。当然その当時とはいえ、普通のお酒を飲むより価格が高いので会計時は明らかに顔が青ざめていく姿は「あ〜もう二度と来ていただけないな、、」という感じでした。ところがその方はなんと確実に次の日もいらしてくださったのです。その当時はワインだけではなくモルト・ウイスキーを中心にはまってしまう酒がよりどりみどりといった感じでまるで麻薬の巣窟のような世界。そんな世界が3年も続いたあとにヴァン・ヴィーノ・ブリュレを開店。最初はほとんどワインだけで一体大丈夫なのだろうかと思っていたのですが、数ヶ月もすると大盛況。そんな時代を経験してきただけに、現代のワインに徐々に移っていく際はかなりの違和感がありました。ワインをやめようと思ったことすらあります。かといって昔のようなワインは2000年代に入り極端に状態が悪くなり、良いワインもほとんど飲み尽くされ残っているワインは私にとってはくずばかり。さてでは現在はどう感じているのか。蔵出しで比較的昔のイメージを持っているワインを飲んでもまず懐かしさしか感じることができません。くらくらするようなワインがほとんどないこともあります。昔極端に女を増幅するような香水プアゾンなどの香りで女性に引きつけられたようなワインはもうないのです。でももしそんなワインが出てきてもそんなにくらくらすることはないと思います。しかし今でも最も印象的なのはまだ農薬がそれほど使われていなかった1930年代から1940年代のワイン。ドクターバローレコレクションや、シュヴァル・ブラン、トロタノワ、これからのワインは当然造りは現代的な醸造法ではありませんが、これぞ古典の自然派といわんばかりの驚くべきワインでした。現代のワインはフレンチが古典から現代に変化したような劇的な変化を感じます。昔のフレンチは、バターと生クリームをたっぷりと使い、塩分も強くカロリーが高く量も喉まで食事が詰まっている感じでした。ところが現代のフレンチは健康的になり量も少なめ。健康志向がワインの世界も大きく変えたのです。自然派志向もそういった変化から生まれ、原点回帰と最新の醸造法によってワインの世界は大きく変わったのです。そういったワインは昔のワインとは大きく違い、官能的とか複雑な味わいの世界とは全く違う世界。質感追求の世界です。自然派のワインを率先してリードしてきたルロワはお金をかけまくり高価な自然派ワインを作り上げました。これ以上ないと思えるほど指針となるようなワインを作り上げましたが、残念ながらその真の姿を日本で感じることはなかなかできません。これがワインの輸入と管理の問題であることは明らかですが、そういった過程で改めて輸入管理と日本でのワインの管理の重要性が明らかになってきたのです。昔のように状態がちょっとだけ問題がある方が熟成感が出ていいなどと言うことはなくなり、ちょっとでも状態に問題があると美味しさが飛んでしまうのが現代のワインです。昔より繊細で旨味と呼べる要素が少ないのにもかかわらず、魅力がちょっとでも飛んでしまうととても美味しいとは言えない状態になってしまいます。それにもかかわらず、状態が悪いワインが氾濫しているのは、そういったワインしか知らない人が多いこともあります。私もそのことに気がつきそういったワインばかり飲んでいるうちにすっかりと味覚が変わり、今では昔のワインを飲んでもぴくりともしない、懐かしさしか感じなくなってきました。こういった感覚の変化に10数年を要したのが現実です。世の中の変化と主に大きく変わったワインの世界。しかしそれは食事も香水も全ての世界で同じような変化をしているのです。コンピューターやスマホによってコミュニケーションが大きく変わり、昔のように酒場でコミュニケーションをするという感覚も無くなってきました。現代のワインはまだまだ発展途上ですが、ここ数年、ただ綺麗なワインを作るという感覚から深みや明確な個性が感じられるワインが増えてきています。どうやったら更に素晴らしいワインを作ることが出来るのか、今までの常識を越えた解明されていないようなことがわかり始めています。それと同時に現代的な世界がいかに自然を害しているのかもわかってきました。自然派のワインを勘違いして劣化させて腐敗した状態の自然派ワインが美味しいと勘違いしている人たちもいます。そういった香りや味わいにはまってしまうのは飲み手の趣向なので別に良いのですが、自然派ワインをそのような勘違いして扱うのはまともな感覚を持っている人たちに悪い影響を与えることは否めません。私もここ数年南アフリカの素晴らしいし自然派ワインを知ったり、新たな経験をすることによりワインの世界を改めて見直しています。そういった意味でまた新たに面白いと思い始めたワインの世界。作り手達が今後どのような変化をし、新しい感覚を持った優れた生産者が出てくるのが楽しみでもあります。そして自然派ワインも熟成によって新たな世界を見せてくれることもわかってきました。変わり続ける現代のワイン、皆様と一緒に楽しんでいければと思っています。CONTENTSに戻る