フィネス - 輸入元の特徴を把握する
次はフィネスです。
フィネスと言えば前身が富士発酵。富士発酵時代からワインのコンディションには定評がありその時代からじっくりと時間をかけてブルゴーニュを中心に歩き回りルーミエ、アンリ・ジャイエ(現在はエマニュエル・ルジェ)、マルキ・ダンジェルヴィーユ、ラヤスなどそうそうたる生産者を擁しているインポーターなのです。
事情があり富士発酵が倒産することになり、ワイン部門を買い取り独立したのがフィネスなのです。
王道ともいえる数多くの生産者を扱うフィネスは長年ワイン業界でも確固とした地位を確立してきました。
フィネスの営業は強気だという話をよく聞きます。確かに私もそう思いますが、へーこらしながら売っているインポーターほどワインが駄目なことが多く、自分たちの扱うワインに自信を持っているからこそ強気に感じさせるのです。飲食店などでは買ってやるんだからという姿勢で安く値切ったりするところが多いのですが、フィネスがそういったところは相手にしません。逆にワインをちゃんと扱うところでないとワインを卸さないのです。こんな強気な営業がまかり通るのも長年の歴史で積み重ねてきた実績とフィネスファンとも言うべき長年つきあいがある顧客との強いつながりがあるためです。
フィネスは一度生産者と付き合い始めたら滅多のことでやめることはありません。そして新たな生産者と付き合う際は現地で飲むだけではなく、日本に何度もサンプルを送らせて最終的に扱うかどうかを判断する実に手堅い会社なのです。コンディションに関しても現在ではかなり高いレベル。創業当時から進化していることは確かです。
フィネスもそうなのですが、どんなに良いインポーターでさえ問題があるワインがある場合があります。しかしそういった状況を克服し前に進む力があるインポーターが正しい姿なのです。
フィネスは自然派好きの人たちからは古典派、王道派ととらえられています。私はそこまでは思わないのですが、自然派の世界とは全く違う方向性であることは確かです。しかしそういった王道派の生産者たちも常に進化していて、ここ10年驚くほど姿が変わってきています。私は挑戦的な自然派生産者よりも王道系の変化したワインの方が安定性があり納得度の高いワインが多いと感じています。
フィネスのワインはあまり市場では多く流通していませんし結構手に入れるのが大変な場合もありますが、それだけ価値のあるワインが多いと言うことは確かです。
同じ銘柄を輸入している他のインポーターもいるのですが、是非飲み比べてみて下さい。別の生産者かと思うほど違う姿なのです。
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