意識の差が美味しいワインにたどり着く道を閉ざす
上の写真はブルゴーニュを中心とする世界的にも最も意識の高い生産者たちです。そして素晴らしいワインを世に送り出しているのです。
でもそんな彼らのワインを本当の意味でちゃんと楽しめている人はどれだけいるのでしょうか。
実はPUR SANGにいくつかコメントが入っていたのを恥ずかしながら今日初めて知り、ある意味想定内のコメントですが、コメントをいただいてありがとうございます。私もちょっとキツイ反応をしておきました。そこで今回は何故PUR SANGを始めたのか改めてお話ししたいと思います。
私は何人もの生産者とお会いしましたが、彼らは世の中で自分たちのワインがちゃんとした姿で飲まれていないことを熟知しているのです。彼らがプロモーションで訪れた国でどれだけがっかりしていることか。でも彼らは絶対にそのことについては分かっている人にしか話さないのです。
日本の農業もそうですが、ワインの卸値を聞いたらみんな吃驚するはずです。そう、農業は儲けるのが大変なのです。世界的にも農業は搾取の歴史で、最近はワインブームでかなり売れるようになっているので若干は改善されていますが、ワインは売らなければワインを作り続けることは出来ない。販売だけではなく天候にも左右されるので本当に大変。北海道の台風被害は皆さんご存じでしょうが、1年かけた作物が天候によってはほとんど無駄になってしまいます。2016年のフランスも大変な被害です。
ですから生産者はワインを買ってくれる人たちには余計なことはいえないのが普通です。それを言ってしまったらよっぽど良い顧客を抱え安泰なところでないとすぐ潰れてしまうのが現実。ですからアメリカのようにメーリング・リストで売っていくのがある意味正しい姿かもしれません。
生産者たちは「私は自己満足でワインを作っている」と言っている人が多い。その言葉こそまさに今のワイン業界の実態を物語っている。このことを皆さんによく考えてほしいのです。
PUR SANGにあったコメントで「あなたが認めていないインポーターでも日々頑張っている。何故そのようなインポーターのことを駄目だというのか!」こんな意見がありました。この意見こそまさに今のインポーターの姿を物語っています。そして頑張っているのだからそれを認めてあげないと!といういかにも正しい意見のような匂いがします。
でも違うのです。頑張っていても頑張る方向性が違う。物事の本質が分かっていないから間違った方向性で努力しているのです。どんなに頑張ってワインの資格を取っても知識はついても感覚は磨けない。ワインは知識は後付けでいいのです。その前に大事なこと感覚を研ぎ澄ますことが大事。そしてもっとワガママになる。ワガママに自分の好きなワインを自分に素直になって見つけることが大事なのです。料理と同じで、自分の好きな料理は黙っていてもすぐ見つけられる。ワインも同じなのです。頭でっかちで教えられたことをそのままやっているようでは真実の世界へはたどり着けないのですよ!
PUR SANGで語っていることは飲んだことがない人でないとその意味が分からない。ですから本当は違う世界があるんですよと言っているのです。その世界へどうやったら入っていけるのか、その道筋を示しているのです。それをあくまでも個人の意見として、私のワイン人生の経過として皆さんに投げかけているのです。だからもっと皆さんの意見も聞かせて欲しいと思っています。
私の意見はワイン業界に対する批判といえば確かにそうです。私が非難する理由は「あなたは本当にワインのプロなのですか?」ということなのです。一般の方々は好きでワインを飲めば良いと思います。でもプロとはなんぞや?
プロはある意味指導する立場、素晴らしい世界に導くためにプロがいるのではないでしょうか。日本の資格制度はただその世界の入口にたどり着くための資格であって、ワインの場合下手なプロよりも一般消費者の方がよっぽどワインを知っている人がいます。それでソムリエと威張っている人たちは実に悲しい。
ワインはある意味趣味の世界でもあります。飲んでなんぼの世界です。飲まないでワインのことなど分かるはずがないわけで、どんなワインを飲むかで価値が変わってくるのです。ワインを飲む頻度でその人にとっても求めるところが違い、もっと深く知りたいのならば生産者の意図の分かるワインを飲まなければなりません。そこに気がつかなければあなたにとってワインの世界はただのまやかしの世界なのです。
最後に、あなたは生産者の味方ですか?それとも、、。
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