クリスタルムとはどんなワインを造るのか
クリスタルムはラールとかなり仲が良いようで先日も含め2度来日しています。どうもかなり日本が好きになったようですね。ヨーロッパの生産者は意外と気位が高いのですが、南アフリカ新進の若手は皆素直で純粋なようです。体は大きいですよ!2m近くありがたいがでかい。もし性格が悪かったらと考えただけで怖い。
クリスタルムと言えばやはりピノ・ノワールとシャルドネのブルゴーニュ品種が特徴です。実は南アフリカにはあまりブルゴーニュ品種はなく、白はシュナン・ブランが一番多く、赤はピノ・タージュやカベルネ、ローヌ品種などが多いのです。
彼は3代目なのですが、2代目の頃から実験的にピノなどを植えていたのを彼の代で初めてワインとしてリリース。ですからまだ樹齢は若くようやくリリースできるほどに育ったピノから造っているのです。それでも恐ろしく魅力的で樹齢が高くなるとどうなるのだろうと思うほど。シャルドネも実に上質でイメージとしてはアメリカの上質のシャルドネの化粧っ気をとってもう少し過熟な感じがなくなったような感じで酸はブルゴーニュ系。ですからブルゴーニュ好きは間違いなく響くワインです。もし南アフリカのヘルマナスのワインがブルゴーニュを比べ負けるところがあるとしたら、気候の過酷さの違いでしょう。ブルゴーニュは冬場はマイナス、夏場の気候変動も激しく農業に最適の地域とされていますが、葡萄にとっても生産者にとっても大変。葡萄は過酷な状態で育った方が複雑さと美味しさが出ますから、ちょっと言葉は悪いですが、ヘルマナスはちょっとぬるま湯で育った優等生的な部分が垣間見られます。
彼らのワイナリーがあるのは南極側のヘルマナス。南アフリカというとアフリカなので皆凄く暑いと思って思っているでしょうが、ヘルマナスなどの南極側の海沿い近くは南極からの風の影響で夏場は暑くなっても25度冬場でも10度以下にはならないような冷涼な地域なのです。当然ブルゴーニュ品種が合うであろうことは分かりますよね。
南アフリカは法律で農薬や化学肥料の使用を禁じられているために当たり前のように自然派のワインです。そして自根のワインもかなり多いようです。南アフリカでは裕福な層がかなりの畑を所有し、また国有の畑も多いようなのでほとんどの若手は放置された優れた畑を探し出しその葡萄を使ってワインを造り出しています。葡萄栽培に関しては栽培家に任せるだけではなく自らも携わっています。
基本の考え方は、あくまでも素晴らしいワインは畑から生まれる、だから私たちは余計なことはしないと言うこと。
彼の作るワインは非常に純粋でありながらも見事な魅力を持っています。何となくアメリカのキスラーを思わせる風味ですが、もっとブルゴーニュよりです。果実の感じはブルゴーニュより少し甘みが強く感じますが、これほど良質なピノはブルゴーニュでもそうは多くないでしょう。
南アフリカのワインがここまでレベルが高いのも実は南アフリカの醸造学はイスラエルやアメリカよりも進んでいると言われているからなのです。
2015年は過去最高のヴィンテージと言われるほどで、酸がかなりブルゴーニュより。まだ若いので温度が高いとちょっと南を思わせるようなこてっとした感じがありますが、今飲むなら少し冷やし目で飲むと輪郭が明確になり純粋な姿を現してくれます。まだそれほど複雑さはありませんが魅力はたっぷり。寝かせるほどにもっと心をつかまれるような姿に変化するはずです。
彼の作るワインはピノやシャルドネだけではありません。ローヌ品種をブレンドして造られるパラディサム、実はこのワインが結構凄い。南アフリカは多分通常はカベルネ系に目が行くものと思われますが、実はローヌ品種のワインには図抜けた魅力があります。非常に上質で熟成も比較的早く素晴らしい深みを見せてくれます。
今若手で最も注目される生産者の一人であるクリスタルム。皆さんが最も受け入れやすい魅力を持ち人柄までもがワインに現れている今後目が離せない生産者なのです。
クリスタルムの詳しい情報はこちらで
0コメント