ソーン・ドーターズ
ソーン・ドーターズ。
正直私もそれほど注目していなかったのだが、先日彼の白とピノをいただき極めて凄い衝撃を受けた。現在日本ではアルヘイトのカルトロジーなどが非常に人気だが、私の感想だとほぼ同格の作り手であることは間違いない。
アルヘイトは世界的に見てもこんな魅力的なワインはないと思うのだが、ソーン・ドーターズもほぼ同じことを言っても良いほどの魅力的なワインなのだ。
ちょっと珍しいセミヨン主体の白はまさに衝撃!飲みやすすぎて一瞬肩すかしを食らうが、あまりのセンスの良さにするっと飲めすぎてしまうがつんとこない魅力があるのである。
先日飲んだピノは、かなりブルゴーニュよりで骨格がしっかりとしているのに軽やかでまさに私がブルゴーニュに求めている姿を体現しているようなワインだ。こんなピノが南アフリカで作られているなんてと思うと、クリスタルムも含めてブルゴーニュ以外では最近のドイツも含め最もピノに適した地域ではないかと思われる。
アルヘイトがこれほど日本で人気があるのに、ソーン・ドーターズはまだそれほどの人気が高まっていない。きっと輸出する際にアルヘイトの輸出量との差があまりにもあるのを見て嫉妬しているのではないか、、。
ソーン・ドーターズとアルヘイトの違いは、艶っぽいムラムラするような魅力と艶っぽく知的な魅力を持った女性との違いといったらわかりやすいだろうか。
世界的に早熟系のワインが持て囃される中ではある意味南アフリカワインは今の時流にぴったりと合いながらも内容のある魅力的なワインが生まれているという意味で、飲むたびに凄いと思わせてくれる。もう他の新世界など比ではない。フランスの次に注目したい地域といっても良いだろう。
さてではここでちょっとソーン・ドーターズに関してラフィネの資料を見てみたい。
詳細・歴史
ジョンとターシャ・セコンブ夫妻は自身のワイナリーを持つ場所を探し、世界中を旅したのち2012年にウエスタンケープ・エルギンに居を据えました。翌2013年がファーストヴィンテージの新しい生産者です。彼らの条件に合う限られた畑からのみ醸造しているため年産も5000本と非常に少量の、ブティックワイナリーです。長いワインの歴史を持つこの地の自然に沿い、それを表現出来るようなワイン造りを目指しています。契約農家のブドウや、年々で購入するブドウは、全て蔵から近い地域のものを採用しており、収穫後フレッシュな状態をキープしたまま醸造をスタートすることを心がけています。
畑
35年~70年の高樹齢の畑を所有する栽培農家と契約し、それらのブドウの出来に合わせてたワインを生産しています。ティン・ソルジャーは史実をふまえ、100年ほど前この地域にセミヨンが多く植えられていたことから、セミヨンブランとその自然亜種セミヨングリの古木から得られる果汁を一緒に醸造してみたらというアイデアから生まれました。また、古い歴史を持つ畑に、ウエスタンケープでは新しい品種(例えばルーサンヌ)を植え、その果汁をブレンドすることにより新しいスタイルのワインを作ることにも挑戦しています。その結果生まれたのがロッキング・ホースです。
醸造
それぞれの畑で、その収穫に最も適したタイミングを見極めることを重要視しています。また、アルコール度数の強いスタイルのワインは求めていないので、糖度バランスにも非常に気を使います。区画ごとに収穫された葡萄は直ちに醸造所へ送られ、プレス後のジュースには酵母やSO2等の添加は一切されません。その後、状態に応じて228Lから600Lの樽(4~8年使用・ブルゴーニュ)に振り分けられマロラクティック発酵までを行います。新樽は一切使用しません。発酵が終わったことを確認後に少量のSO2を添加し、瓶詰されます。
最新キュヴェ(11月末までには入荷予定)
ロッキング・ホース・ケープ・ホワイト2015
「ロッキングホース」、この名称は使い古した木樽を使い、私たちの娘へ木馬を作った思い出から名付けました。抜栓してすぐにオレンジの花、桃、カラメルのアロマがあり、次第にローズマリー、キャラウェイ、海辺にいるようなエキゾチックで複雑な香りに段々と変化していきます。ウエスタンケープでは新しい品種、ルーサンヌ(33%・樹齢8年)を核としてフレッシュ感を表現し、その他のブレンドに土着で古木のシャルドネ(20%・24年樹齢)、セミヨン(23%・32年樹齢)、シュナンブラン(18%・32-35年樹齢)、2015年ヴィンテージは、スキンコンタクトを数日施した、クレレット・ブランシュ(6%・32年樹齢)を加え全体のバランスを取っています。
ティン・ソルジャー・セミヨン
スキンコンタクトを経たことを思わせる明るいブロンズカラーのワインで、セミヨン・グリの果皮の色がワインにも表れています。樹齢30年以上のブッシュヴァイン、セミヨンブランとセミヨングリ(ウエスタンケープで昔から見られる、セミヨンの亜種)の混醸です。赤い果実やリコリス、白コショウのノートから次第にイチゴの葉や、甘やかなハーブへ移行し非常に香りが豊かです。ドライで繊細、同時に、セミヨンから得られるリッチさと深みを存分に味わえるワインです。
ペーパー・カイト・オールド・ヴァインズ・セミヨン
南アフリカにおいても最も古い畑のひとつであろう、歴史あるフランシュックの畑の樹齢111年のセミヨン100%から造られています。その畑のブドウを購入する機会に恵まれた為に造られたワインで、初ヴィンテージとなります。元々晩熟型の品種、セミヨンの100年を超える樹齢は南アフリカでも珍しく、その畑から成る果実は、フローラルさに加え東洋スパイス、ハーブなどのエキゾチックな香りの余韻が非常に長く、高樹齢の樹木だからこその味わいが発揮されています。その樹木の圧巻の佇まいに「人は謙虚に畑を手入れをし、出来上がったワインがグラスに注がれたイメージを集中して表現するだけ」と感じ、収穫後は全房発酵でプレス、4年以上のフレンチオークで熟成。数年熟成させるとより真価が発揮されるでしょう。
ゾートロープ・シャルドネ
粘土と頁岩からなる土壌、ステルクルーフ・ヴィンヤードのシャルドネ100%。ブッシュ・ヴァインで、樹齢は23年です。ロッキング・ホースにもブレンドされています。アーモンド、蜂蜜、シナモン、八角、オートミールやレモンなどといった非常に複雑でかぐわしい香りを放ち、繊細で滑らかなテクスチャーを持ったワインです。
コッパー・ポット・ピノ・ノワール
妻、ターシャの両親が経営するコテージで提供する為に造られた「お食事と楽しむ為」のシリーズで、単一品種をフィーチャーして展開されます。内陸の山間にある2つの異なる畑の若樹のピノ・ノワール100%から造られており、土壌は粘土や砂質をベースに、クオーツや鉄分を多く含む鉱物類なども多様に見られる畑で、どちらも冷涼でピノ・ノワールに適した地域で造られています。収穫は早積みで品種個性でもある酸をしっかり残し、プレスは30%全房発酵で少しタンニンや酸を提供、赤いベリーのピュアな果実味とかすかなウッディな香りの、バランスの取れた味わいに仕上がっています。
ソーン・ドーターズのご購入はこちらで
0コメント