Cinque Campi チンクエ カンピ

赤の発泡酒であるランブルスコ。正直あまり美味しいものに出会ったことがなく興味の対象ではなかったのだが、このチンクエ・カンビに出会って初めて良いなと思ったのが正直なところだ。正直赤の泡なんて、、なんてイメージだったのだがこれはこれで十分に美味しい。最近ではフランスのベルトラン・ダルビオなども赤の発泡酒を作り出しており今後このような傾向の発泡酒が増えていくかもしれない。彼の作る通常の発泡酒もかなりいけておりセンスを感じさせる作り手だ。


オーナー: Vanni Nizzoli ヴァンニ・ニッツォリ

地域:エミリア=ロマーニャ Reggio Emilia レッジョ・エミリア

地区、村:Puianello di Quattro Castella プイアネッロ・ディ・クアットロ・カステッラ

醸造責任者 : Vanni Nizzoli ヴァンニ・ニッツォリ

栽培責任者: Vanni Nizzoli ヴァンニ・ニッツォリ

ホームページ:http://www.cinquecampi.it/cinque_campi/cinquecampi.html 


【ドメーヌについて】

ドメーヌ創業年:2005年

ドメーヌ解説 

歴史:ニッツォリ家は200年以上この地で農家を営んできた。現在でも麦や、地域伝統のバルサミコ酢を作っている。ビオロジックの認証を取得したのは2003年のことだが、所有する畑では常にビオロジック栽培を行ってきた。 造り手略歴:パルマの農業系の大学で科学と食品科学を学んだ。卒業後はいくつかのバルサミコ酢生産者の元で働いていたが、2003年から祖父の仕事を引き継ぎ、ワインを醸造することを考え始める。 哲学: 代々続けてきた自然な栽培を心がけている。葉、ブドウ樹、土壌一つ一つが私のワインから感じとられる、畑の自然なバランスを保つための要素である。全てのワインは自然な瓶内2次発酵の結果であり、亜硫酸の添加はしない。これこそが、畑とその周辺の環境の複雑さとバランスを表現する最良の方法である。祖父はもうこの世を去ったが、彼から教わったことを忘れずに常に最良を目指していきたい。


【畑について】 

栽培方法:ビオロジック

その栽培方法の開始時期:2003年に 認証取得

その栽培方法を適用している畑名:全ての畑

栽培方法の将来的な展望:ビオディナミの考えも取り入れていく。

認証機関: ビオロジック・ヨーロッパ

土壌:砂を含む粘土石灰土壌, セリースが多いシリカケイ素

微気候:地中海気候

自社ブドウ畑面積(ha):4ha

自社ブドウ畑の数(ヶ所): 5

自社栽培ブドウ品種:ランブルスコ、トレッビアーノ、グラスパローザ

ブドウ以外の自社農作物:麦

ブドウ畑以外の自社畑総面積(ha): 20ha

主な仕立て方法:ギュイヨ式

仕立ての支柱の素材:木、ステンレス

仕立ての添え木の素材:木、ステンレス


【醸造について】

酵母のタイプ: 野生酵母

圧搾方式:垂直式プレス

醗酵容器の素材と容量(L):木、ステンレス

熟成容器の素材:木、瓶内

セラー環境:熟成場所は2009年に新しく建てたセラー。素材はコンクリートと木の近代的なセラーだけれど、地下部分の壁はむき出しになってあり、温度と湿度は一定に保たれている。発酵を行う場所は地下セラーでは無いが、収穫期〜冬季のあいだに主に使用。 

年間生産ボトル本数: 30000本


【ワインについて】 

○Bianco dell’Emilia IGP Terbianc ビアンコ・デッレミリア テルビアンク

<畑名1 I Cinque Campiイ・チンクエ・カンピ   > 土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌 畑の標高:160m 畑の向き:東,南東 栽培面積:0.2ha 仕立て方法: ギュイヨ仕立て 品種:トレッビアーノ100% 平均樹齢(植樹年月日):100年(30% 南東向き)、 20年(70%東向き)(2015年現在) 植樹密度:3500本/ha 収穫量:50hl/h 


<醸造>(共通) 選果の場所:畑の中 マセレーションの有無:あり マセレーション期間:5日間 酵母の添加有無:なし 醗酵容器: ステンレス アルコール醗酵期間:20日間 醗酵温度コントロールの有無:なし 熟成容器:瓶内熟成 熟成期間: 半年 濾過: なし 清澄:  なし 醗酵中の亜硫酸添加量: なし 総亜硫酸量: 10mg/l SO2添加のタイミングと量:なし 当キュヴェの年間生産量:1800本 【ワインまたは畑の名前の由来】: テルビアンクとは、方言でトレッビアーノのこと 


Lambrusco dell’Emilia IGP Cinquecampi Rosso 2013 ランブルスコ・デッレミリア チンクエカンピ・ロッソ

<畑名1 I Cinque Campi イ・チンクエ・カンピ   > 土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌 畑の標高:150m 畑の向き:東、西 栽培面積:1.2ha 仕立て方法: ギュイヨ仕立て 品種:ランブルスコ・グラスパロッサ、マルボ・ジェンティーレ、マルゼミーノ 平均樹齢(植樹年月日):65年(東向き)、30年(南向き)、10年(西向き)(2015年現在) 植樹密度:3500本/ha 収穫量:50hl/h 

<醸造>(共通) 選果の場所:畑の中 マセレーションの有無: あり マセレーション期間:10日 酵母の添加有無:なし 醗酵容器: 栗の木 アルコール醗酵期間:20日間 醗酵温度コントロールの有無:なし 熟成容器:瓶内熟成 熟成期間: 1年 濾過: なし 清澄:  なし 醗酵中の亜硫酸添加量: なし 総亜硫酸量: 10mg/l SO2添加のタイミングと量:なし 当キュヴェの年間生産量:5500本 


○Rio degli Sgoccioli リオ・デリ・ズゴッチョリ

<畑名1   > 土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌 畑の標高:160m 畑の向き:西 栽培面積:0.35ha 仕立て方法: ギュイヨ仕立て 品種(パーセンテージ):ランブルスコ・バルギ100% 平均樹齢(植樹年月日):10年(2015年現在) 植樹密度:3500本/ha 収穫量:50hl/h 

<醸造>(共通) 選果の場所:畑の中 マセレーションの有無: あり マセレーション期間: 酵母の添加有無:なし 醗酵容器: ステンレス アルコール醗酵期間:20日 醗酵温度コントロールの有無:なし 熟成容器:ステンレス 熟成期間: ステンレスで6ヶ月、瓶内13ヶ月以上 濾過: なし 清澄:  なし 醗酵中の亜硫酸添加量: なし 総亜硫酸量: 10mg/l SO2添加のタイミングと量:なし 当キュヴェの年間生産量:600本 

【ワインまたは畑の名前の由来】: Rio=小川、degli=〜の、Sgocciogli=最後の一滴 畑のすぐ横に小川が流れていることから。


合田 玲英のフィールド・ノート no33(2015年8月) 

ラシーヌで初めてのランブルスコの生産者です。ニッツォリ家はレッジョ・エミリアの街近くで、200年近く農家を営んでいます。現在も4haの畑に加えて麦や家庭菜園の畑を合わせ20ha以上の土地を所有しています。2003年に現在の当主のヴァンニ・ニッツォリが経営を始めるとともに、畑の栽培をビオロジック栽培へと転向し、ワイナリーでの元詰めを始めました。2005年にはグラスパロッサやスペルゴラといった地品種の畑を引き取るなど希少品種の保存にも力を入れています。また、ワインだけでなくごく少量のバルサミコ酢も作っていて、昔からの農家らしく多種の農作物を生産しています。    畑の管理は現在ではビオディナミの調合剤や柳科の植物の煎じたものを散布し、硫黄やボルドー液の散布は極力減らせるようにしています。耕作も2年に1度行うのみで、自根の100歳を超える白品種スペルゴラの植わる畑では土の不耕作にも挑戦しており、畑が健全な状態を自然に保てるよう試みています。写真は収穫後の畑の様子です。不耕作の畑では地面がとてもフカフカしていて、自生している植物の種類も多く、なにより居心地が良かったのを覚えています。僕はどうしても手入れのたくさんしてある畑より、こういう方向性の畑に惹かれてしまいます。    以前は醸造過程において少ないながらも亜硫酸添加をし、瓶内2次発酵を行うキュヴェの糖分と酵母の添加には、市販のものを使っていました。現在では醸造は亜硫酸無添加で行い、糖分はその年に収穫したブドウ果汁を5度に冷蔵していたものを使用しています。(本人の言葉ではありませんが)よりナチュラルな味わいを目指す内に、畑の状態が向上していっていることから、余計なものを添加しない醸造に変わっていったように思えます。1次発酵にスターターを用意したり、2009年に建てた新しいセラーの地下部分は土の面を残していることからも、慎重に考え、実践していることが伺えます。アタックから後味まで一貫して透き通っていて、彼の考えがよく反映されたワインに仕上がっています。  正直なところ、赤のスパークリングは個人的にはタンニンとスパークリングという組み合わせが苦手で、これまで敬遠してきました。イタリアでもエミリア=ロマーニャ地方のワインバーでしかあまり見かけないランブルスコですが、ヴァンニのランブルスコを飲んでからからは、意外といけるなあと思い始めました。特に今年は、昨年までと違って猛暑日が続いているので、そんな日にグビグビと飲むには最高です。


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