2017年産フランスワインの不作によってワイン業界に異変が起こる

2016年に続き2017年は更なる不作に見舞われたフランス。1本すら生産できない生産者もいるほどでこのことはフランスの生産者だけでなくインポーターにとっても大きな痛手になる。

特にフランス中心のインポーターにとっては死活問題だ。特に大手のインポーターは仕入れたワインを安売りしてでも次の年までに売り切ってしまうことが多いために、そのことが打撃になるだろう。

不良在庫が多く出回る危険もある。

フィネスのようなインポーターは多分保管してあるバック・ヴィンテージのワインなどを放出し凌ぐと予想されるが、それは逆に嬉しいことともいえる。ラシーヌなどはリスクを減らすためにヨーロッパ全土に手を伸ばしており、フランスが不作でもリスク回避が出来るはずだ。ラフィネも南アフリカに主軸を置き始めている(ラフィネは否定するだろうが)ために、ある程度凌ぐことは出来るだろう。

一番の問題は私たちが最も愛しているリーズナブル系のワインだ。大量消費するクラスのワインが不足することが十分に考えられる。

現在オーデックス・ジャパンなどは、ヨーロッパでもメインの地域のワインを放棄し始めており、その他の地域のワインに集中しているために息を吹き返す可能性大!

要するにこの事態は、今まで注目されていなかった地域のワインを開拓するきっかけとなるだろう。

そしてそういった地域の生産者にとって大きなチャンスともいえる。

それは結果としてフランス離れを更に進めることにつながる可能性がある。

実際ここ10年ワインショップをやっていても10年前よりも遙かにフランス以外のワインが多くなっている。

しかし、問題は新しい地域のワインを状態良く輸入するのは非常に困難で環境の整っていない地域が多く一部のインポーターを除いたらほとんどのインポーターが酷いワインを輸入し始めることが考えられる。南アフリカのワインを見てもわかるようにラフィネ以外はほぼ全滅状態。ヨーロッパですら主たる国以外の輸入は非常に困難を極める。

今回のフランスでの出来事は世界的な異常気象に原因があるのだが、そのことが更にワインの輸入に問題を起こすはずだ。一部手を抜くだけでワインは致命的なダメージを受けてしまう。

ちょっと話はずれるが、フランスでは数年後新車登録できる車はハイブリットどころか、電気自動車と水素自動車だけになるそうだ。このことは自動車メーカーの電気自動車、水素自動車開発に拍車をかけ、石油離れが進むことだろう。こういった劇的なことが起こらない限り世界的な異常気象が緩和される可能性は低い。ところがアメリカのシェールガス開発は、ガソリンをばらまいて走っているような車の販売を後押ししているために真逆の傾向も起こっている事実もある。

ワイン税が安くなるとは言ってもたいした影響はないだろうし、世界的には良いワインを作れば売れるという考え方から徐々に価格が上がっている。日本が適度なインフレにならない限り日本人にとってのワインに対するイメージは更に高いものになっていくだろう。

ワインホリックとしては今のうちに余裕があれば買えるワインは買っておくという方針。来年から徐々に起こってくるフランスワイン不足に備えなければならない。


CONTENTSに戻る

PUR SANG

美味しいワインがなかなか見つからない、ワインのことが今ひとつよく分からない、美味しいワインを探したり美味しく楽しむためのテクニックを学んでみて下さい。

0コメント

  • 1000 / 1000